雑録

果つることなき未来ヨリ「メルティナルート」の感想・レビュー

テーマ性は薄い。「愛は世界を救う」的なはなし。結構お気楽なノリである。
現実から目を背け自分を受け入れられなかった少女が悩み続けて答えを出す。
†「悩みを抱え答えを出そうとすること自体が大切で考えることを止めてしまうことの方がよほど危うい」
戦闘パートとしては、洗脳されたメルティナが襲いかかってくるがイチローが男をみせる。
最後は「玉砕」を軽い感じで否定。あっさり。いや「玉砕」って結構重厚なテーマな気もするが。
†「戦争に負けないためにオマエは死んでくれだなんて、そんなの絶対間違ってる」

メルティナルート概要


  • 移民問題を通して自分の力を受け入れるはなし
    • 地理学における「人口移動」の分野は結構好き。異なる文化が融合して混じり合う様子は興奮する。しかし混じり合うまでには時間が必要であり、自分とは異なる価値観を持つ集団を受け入れるのは容易ではない。日本国内においても旧住民と新住民の対立が発生する。況んや他人種においてをや。そんなわけで日本はけっこう閉鎖的であり移民もあんまり受け入れないし難民問題もスルーしがち。少子高齢化社会で労働人口減ってるんだから移民受け入れてブーストかけろよという世論は盛り上がらない。保守派の力がスゲー強いし変わらないことを望むのが大衆的無党派層というものよ。けれども現実は逼迫しており大衆に顕在化しないまでも、研修生制度や規制緩和などで少しずつ流入していたりする。本来なら説明責任を果たし国民に理解を求めて啓発していく必要があるのだが・・・、まぁやっぱり上は面倒なんだろーね。ろくな教化がなされないまま、きちんとした整備や方針がないまま、スプロール現象的に事態は進行している。そうすると必ず発生するのが民族対立。メルティナルートではこの移民問題が前半のテーマとなるのだが・・・。まぁなんだ、移民問題に真剣に取り組んでテーマを掘り下げるのではなく、メルティナが自分の能力を受け入れるための装置と化してしまっている。ぶっちゃけライターが移民問題や民族紛争を描きたいのではなくファッションとして利用しているだけだろーと思われてしまう。移民問題による軋轢→歌を歌って解消というノリだもの。慰安会のとこは結構好き。歌と踊りによって一体感を創出し仲間意識を高める効用はテンションあがる。



  • メルティナルートにおける原爆投下後の展開
    • 原爆食らったあと近しい人を亡くしたメルティナだが人は死んでも意志は継承されることを感じて復活。イチローもそれをみて愛する女のために戦う決意を新たにする。メルティナルートではロストテクノロジーである飛空挺の部品を探しに人魚族と行動を共にする。主な山場は二つ。一つ目は、メルティナが相手に捕縛・洗脳された上でイチローに歌による攻撃を仕掛けてくるところ。ここでイチローはひるむことなく突撃し、苦痛に耐えながらメルティナまで辿り着き愛を与えて洗脳を解除。もう一つの山場が「玉砕」を否定するシーン。敵さんは局地戦に負けないという理由だけで自らを犠牲にして砲弾を撃たせてくる。バンザイトツゲキやカミカゼアタックが念頭にあるのかと思うのだが、あんまりテーマ性は深まらない。ここらはイチローが現世編で特攻しているのだからもう少し丁寧に扱って欲しかった感がある。イチローの愛で覚醒したメルティナに「戦争に負けないためにオマエは死んでくれだなんて、そんなの絶対間違ってる」と叫ばせて、あっさりと砲弾を防御。イチローたちは飛空挺の部品を無事輸送できたおかげで戦争も終結し、メデタシ・メデタシとなる。メルティナとの同棲編でイチローが愛する女に「おかえり」と言ってもらうことで人間性を強くしていくところは良かった。