果つることなき未来ヨリ「第四章」の感想・レビュー

飛竜隊におけるフランとエレンのはなし。
フラン編はグリザイア蒔奈√と類似。努力が報われる成功体験を積ませ自己肯定感を育成することがテーマ。
エレン編は輪姦され娼婦となった女が小銭を稼いで資本蓄積し小料理屋でも始めるかという夢が語られる。
いずれも下士官としてのイチローの人間的魅力が引き出せるよう仕組まれており飛竜隊の好感度もマックス。
説教ゲー風味が強く価値観の押しつけとして鼻につく人もいそうではあるが、マッチョリズムは結構好き。
一兵卒たちから慕われるイチローの活躍をご覧ください。

フラン編


  • 自己肯定感の育成
    • フランは近親相姦により生まれた呪われた子として育てられた。その結果、世を拗ねて斜に構える跳ねっ返りとして成長し周囲に疎んじられる日々を送る。そんなフランに対して「自分にだけしかできない」という有用感を感じさせ、自信を持たせてやろうとイチローは心を砕いていく。ここらへんはグリザイアにおける蒔奈育成編・麻子特訓編と酷似している。諦めない姿勢とか自己肯定感とか一つのことを極めろとかね。フランにしかできない仕事とは何か?それはロケット噴射を利用した超高度上昇であった。フランは特訓の日々を送るが、そんなフランを嘲り笑う連中も少なくはない。イチローは部下を笑う連中など絶対に許さないとばかりに雑音を排し、フランを信じ続ける。そしてイチローもまたフランと同じ訓練をこなすようになり、ついには超高度からの敵機撃退に成功する。努力を重ねてそれが報われ、良い仕事をしたと周囲に認められるという成功体験はフランの人生を変えた。これまで世の中を舐め腐る一方で自己を確立できずにビビっていたフランは、ようやく前を向けたのであった。




エレン編


  • 娼婦の凄惨な過去
    • エレンは死亡した妊婦の腹を割かれて誕生してきた。そんなエレンは偶然妻と娘を亡くした隊長に拾われ育てられることになる。隊長とともに戦地を転々とする毎日を送ったエレンだが、ある日隊長の部下により強姦されてしまう。この時性行為がどのようなことすら分かっていなかったエレンは握らされた小銭を見て満足感を覚える。戦場になじみ深いエレンは人を殺すことでカネが得られると思っていた。しかし人を殺さずとも自分ができることをやってカネを稼げるではないか!!そして自分が稼いで買った肉はどんなにうまいことか!!以来エレンは夜な夜な部隊の男を抱いては小銭を得ることになる。結局はそれが明るみにでることになり、部隊長は自分が育てた娘同然の少女が白濁に塗れながらバラ撒かれた小銭を見てニヤニヤと笑っている現場を目撃してしまう。怒り狂った部隊長は部下全員を斬殺。そして自分を恐怖の目で見てくるエレンを目の当たりにして、自害するのであった。その後もエレンは娼婦としてカネを得る毎日を送ることになり、異常性癖者である客に眼球をえぐられて肉棒を突っ込まれたことによる感染症で竜化に目覚める流れとなる。そんな凄惨な過去を持つエレンだが、辛い現実をやり過ごす手段を心得ており、普段から頭で色々と考えることを放棄させている。エレンの特技は料理。カネを貯めて客の顔が見えるくらいの小料理屋を営むことが夢。