IBの教育手法を取り入れたWorld History
IBの授業構造
- IBDPが求める教師像
- 「生徒が地震と責任感を育むことを促す、知性の面での指導者」
- 「学習内容を教える人(teachers of content)であると同時に、学習の仕方を教える人(teachers of learners)」
- 教師は「教える人」というよりは「導く人」であり、教師自身が一人の学習者として生徒とともに学び続けているという教師像
- 授業の形態としては「教師が板書したことを理解して覚える」というよりは「教師が投げかける、簡単に問いの出ない問題を皆で考える」という形態を取る。
- IBDPの授業設計
- 教師は毎回の授業の到達目標を明確に示し、生徒が目標に対して自分の到達度を振り返ることができる評価(形成的評価)を授業ごと、活動ごとに行う。
- 教師は簡単に答えや知識を与えず、生徒が予習で学んできた知識と、生徒同士のディスカッションで挙がったことをベースにして授業を展開する。
- 教師は一つの事象に対して、必ず複数の見方・考え方ができるもの、意図的に反対意見が出やすい教材を選び生徒に提示する。
実践例1 模擬国際交渉
実践例2 史・資料の比較・分析
- 米国による対日禁輸制措置に関する資料の比較
- 授業の展開
IBコースの日本史B
- 日本の学習指導要領との兼ね合い
- 学習指導要領の内容を網羅する必要があるため、古代から現代までの日本、とくにDPで扱わない古代から近世までのに日本に多くの時間を使って授業を行っている。
「inquiry based learning(事前学習を前提とする授業)」
- 予習課題
- 授業の展開
- 導入:生徒をグループに分け、予習してきたことを共有し、まとめさせるという形式をとっている。
- こうすることで自分が得ることのできなかった情報を仲間から補うことができる。
- 展開:生徒による発表をベースに議論形式で授業を進め、教員は「知識を教える人」ではなく、生徒が得てきた知識を違う視点から捉えなおさせたり、補ったりする役割に徹する。
- 導入:生徒をグループに分け、予習してきたことを共有し、まとめさせるという形式をとっている。
「conceptual understanding(概念を学ぶ授業)」
- 授業のまとめ部分で行われる学習
- 江戸時代の「田畑勝手作の禁」など、江戸時代の農業統制について史料を事前に読み、江戸時代初期の農業について考察した後、「それでは江戸時代になって農業はどう変化したのか?」という問いを投げかけられ、マインドマップを作成して振り返りを行う。
- 振り返りの際には、「前時代の傾向がそのまま続いていること」、「前時代とは異なる傾向が見られること」などの視点に注目させている。
- こうすることで「小農経営の進展」という前時代から続く傾向や「商品作物の制限」という前時代とは異なる、新しい傾向について整理することができる。
- これを積み重ねると、鎌倉時代から江戸時代初期までの傾向といった、歴史の流れを大きく捉えさせる論述問題を出しても整理して解答できるようになる。
「international mindedness(国際感覚を養う授業)」
- 日本と外国の事例との比較が掲載されている二次資料を選んで課題として読んでくるよう生徒に与えている
- 生徒は外国の事例と日本の事例を混同して述べてしまう
- 授業の展開では、教員は「どれが日本の事例、どれが外国の事例か皆で分けてみよう」と区別していくと、生徒の頭の中に大きな年表ができあがっていく。さらにこの学習を通じて、個々人が持つ、歴史に関する思い込みや偏見を明らかにすることができる。