終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? 第10話「いまこの時の輝きを」の感想・レビュー

人間の業の深さに恐れおののいた主人公くんが愛する女を拠り所とし、ついにフラグ成立するはなし。
前世編や世界設定編をやらずにクトリ√に混ぜ込んだのは良い原作改編だったかもしれない。
原作だとクトリ物語は3巻で終焉するが、映像版はクトリだけの物語の提示として成功している。
魔獣素体は人間でありクトリたちを苦しめてきたのは己の種族だった!と苦悩する構成が映える。
まぁ残り話数でクトリ死なせた後、宇宙人襲来とか魂魄体の融合とか説明しきれないだろうし。

愛しながらもクトリを遠ざけてきた主人公くんがついに心が折れて救いを求める形でフラグ成立

  

  • コメディパート
    • ノフト、ラーントルクたちと再会したクトリたち。主人公くんの存在について言及され、人間族の生き残りだと判明するとラーントルクはなにやら警戒感を抱いている模様。そこで主人公くんの整体タイムが始まりラーントルクは喘ぐの巻き。クトリがいる前でラーントルクを絶頂させるコメディパートをご覧ください。同じくコメディパートなのですが、クトリは主人公くんのお抱え娼婦扱いされるのが我慢ならず飛空艇の雑用を始めるのだが完全にラピュタ状態となり乗組員を惚れさせ手伝わさせます。そのような中でクトリの浸食が進んでいくのですが、原作の4、5巻は回想シーンで回収されていく模様。クトリの前世浸食ではエルクがリーリァに討伐されるシーンが示されました。
    • リーリァも悲しいヒロインでして、リーリァが聖剣を使えるのは絶対に幸せになれない悲劇を背負っているからでありそれが故に「勇者」と位置付けられているのです。リーリァは主人公くんのことが大好きなのですが絶対に報われることがないのですね。そして主人公くんにはアルマリアという嫁が既におり、リーリァはアルマリアを大切にする主人公くんを好きになったという拗らせっぷり。そしてそんな主人公くんが生き延びるために世界を救おうとエルクに立ち向かうのですが、結局世界救えなかったという最後を迎えるのですね。しかもリーリァが使っていた聖剣をクトリが継承することになり、そのクトリが主人公くんと結ばれるという皮肉も聞いているわけですね。番外編のリーリァ√はぜひ映像化して欲しかったものよ。

 

  • 人間族の業という見せ方
    • ラーントルクが主人公くんに対して警戒感を剥き出しにしていたのは、魔獣の素体が人間なのではないかと薄々感じていたからでした。当初、主人公くんはそんな事考えもしなかったのですが、聖剣の調律中にラーントルクの疑念の正体に感づくのです。それはノフトの聖剣の特性から判明します。ノフトの聖剣の異能は「同族殺し」スキルであったにもかかわらず魔獣に対して効果を発揮していました。これに対し、主人公くんは壊れているのではないかと思っていたのですが・・・調律の結果は正常。ここで主人公くんは魔獣の素体が人間であることを確信するに至るのですね。
    • そして自分が吐いた言葉が自責の念となって湧き上がってきます。自分の愛する嫁であったアルマリアを殺したのも、クトリたち妖精兵器を苦しめているのも、全て自分たち人間族の業であったというわけです。事実を知らずテキトーぬかしていた自分に自己嫌悪する主人公くん。そんな主人公くんを救うのがクトリというわけさ。自らの種族の業の深さに恐れおののいた主人公くんは、思わずクトリに縋り泣きつきます。主人公くんの弱さを全て受け入れて包み込んでくれるクトリ。こうしてついに主人公くんはクトリに陥落するのでした。これまで一線引いてフラグ構築を避けていた主人公くんは弱った心をクトリに癒され婚姻を申し込むのですね。いつものお約束である主人公くんがクトリに愛を囁き、クトリがもう1回言ってねだるパターンなのですが、今回はクトリに良い女だなといった後、もう1回いってと請われた際、結婚してくれと言い直すシーンはグッときます。