景の海のアぺイリア 体験版2の感想・レビュー

今はやりのVRMMOを題材にバカゲーの皮を被せたSF系量子力学ゲーム。並行世界と多世界解釈と観測者。二重スリット実験。
ネトゲの死が現実の死に直結するデスゲームと化し、さらにアぺイリアが攫われたため救出を図るのだが…。
体験版2はタイムリープネタが炸裂。読者に提供されたシナリオは永遠にループする世界のn周目だったのさ!
記憶を持ちこせないループの中で、主人公くんはアぺイリアを救い出し、ループから脱却できるのか!?
みんな大好きSF展開。彷彿とさせるのはエンドレスエイトなシュタゲ的まどまぎ風味3くる(はるくる・なつくる・あきくる)。
ギャグゲー的なノリがなんかとても面白く、かなり熱中して読んでしまいました。

記憶を持ち越しできないループ世界のn周目

  • VRMMOモノかと思いきやSF系量子力学展開になります
    • 体験版1では主人公くんが生み出した強いAIアぺイリアによりVRMMOが作られました。さっそくプレイ!!というところで体験版1はお開きになったので、体験版2ではVRMMOをプレイするぞの巻から始まります。ここらへんは現在ワカモノに人気なVRMMOモノとなっていますね。下ネタ満載のバカゲーギャグゲーVRMMOをお楽しみください。粗製乱造されワンパターンとなりがちなVRMMOモノですが、本作はバカゲーっぷりが見事であり腐るほど溢れかえる異世界転生モノと一線を画したセンスを見せています。かつてこれほどまでに男性の下半身と自慰と射精行為をファンタジーRPG的に描いた作品があっただろうか?(結構あったかもしれない)。某児童誌コロコロコミックよろしく「おちんちん原理主義」にもとづき生殖器を武器に戦います。女性を輝かせるのが男性器の役割とかいってヒロインズを魔力供給によって強化していきますよ!ヒロインズたちも自覚のあるまっとうな?ぼっち的こじらせ系女子たちなのでそれぞれグッときます。
    • そして量子力学タイム。二重スリット実験のはなしです。『あきゆめくるる』でもテーマとなっており並行世界と多世界解釈、世界の観測者を設定するシナリオには欠かせません。量子の粒子と波動の二重性のやつ。観測していないと波の性質を持つのに、観測すると粒子となる例のアレですよ!!専門知識に裏付けされたシナリオはホント面白いですね。「やる夫シリーズ」などの特徴としても指摘されていますが、専門知識を噛み砕いて分かりやすく説明する面白さに加えて、読者がきちんとついてこられるようにたとえ話や掛け合いで表現するシリーズは何度見ても本当にステキ。

  • 最後は唐突にシリアスモードに突入!からのSF展開。
    • なんと主人公くんたちがアぺイリアちゃんを使って作り上げたVRMMOがなぜか一般にも公開されており、そしてゲームでの死が現実での死に直結するデスゲームとなっていることが判明します。そして囚われてしまうアぺイリアちゃん。主人公くんたちはアぺイリアちゃんを救うため、またリアルで死ぬゲーを作ってしまった責任を取るため、ウイルス駆除クエストに挑むことになります。この場面が体験版2の一番の盛り上がり所カナー?しかし主人公くんたちパーティーの奮戦も空しく、クエスト失敗となります。主人公くんたちは死亡しました・・・とはならずループすることに。主人公くんは体験版1の3日前の日付にタイムリープすることになり、自分がループ世界のn周目にいることに気づくのです。しかし通例ですと、この後ループした記憶は持ち越せずリセットされてしまうのです。主人公くんはどうすれば忘却せずに記憶の持ち越しをできるかにトライすることになりました。果たして主人公くんは記憶を持ち越し、ループを脱却し、アぺイリアちゃんを救うことができるのでしょうか?そして、主人公くんに立ちはだかる謎の組織とは!?気になるところで製品版に続きます。

 

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