強制的に繰り返されるタイムリープから離脱し、AIアぺイリアを救うため、世界の仕組みを解明するはなし。
ループを繰り返しながら伏線が回収されていき、謎を解き明かしていくという構造を取っている。
そのため各ヒロインが全体像を成り立たせるためのパーツとなっており、それぞれが悲劇を付与されている。
だがそれは全て仮想現実の話であり、主人公くんたち自身が全てAIだったという壮大なオチとなる。
面白いんだけれども、設定のどんでん返しにつぐどんでん返しで、シナリオが小難しすぎる嫌いがある。
最後は突如ハッピーハーレムエンドとなるのだが、最後に観測箱の干渉縞が消滅していることが強調されて終わる。
??ということは、仮想現実の中での幸せなのか?私の読解力では理解することが出来ず雰囲気ゲーとなった。
私はシナリオをこれっぽっちも理解していない。私は何となく雰囲気でシナリオを目で追っただけに過ぎない。
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- 1周目(体験版)
- 2周目(ましろ回)
- 3周目(1年前にタイムリープ)
- 1年前にタイムリープ。選択肢出現。それぞれの過去が明らかになる。偽妹を選ぶとクローンであることが判明する。ましろを選ぶと白血病に罹った事故を読むことになる。久遠を選ぶと母親が死んだ現場に立ち会うことになる。アぺイリアを救出し未来がタイムリープが解消されたら、彼女らを救えないことを意味するため主人公くんは苦悩する。
- 1年前なのでいつもの3人(三羽、久遠、ましろ)とパーティーを組めなかった。しかし主人公くんは1年前の時間軸でもサクサクとアぺイリアを開発しVRMMOを実現する。アぺイリア、沙羅、正円と組んだ主人公くんはクエストの勝利条件である混沌の姫討伐に辿り着くが、ここでまた強制タイムリープ。個別√へと突入する。
個別ヒロイン√
- 三羽√(クローン人間と生体アぺイリアについて)
- 三羽√では母親に愛情を与えて欲しいとねだる三羽が母親から捨てられてしまう。そのため主人公くんが三羽に愛を与えてフラグ成立。アぺイリアに関しては三羽がクローンであったことから、クローンの身体にアぺイリアを移植する。こうして生体アぺイリアが誕生。主人公くん・三羽・アぺイリアは疑似家族ごっこをする。だが現実世界で電力供給量の低下が発生し、その原因がVRMMOだと判明するため、ログインせざるを得なくなる。主人公くんと三羽は電力供給量を低下させるウイルスがどこから送付されているかを探すことになる。ここで主人公くんの自己犠牲タイムが発動するのだが、主人公くんに愛を与えられた三羽がそれを嫌がり、何度ループしてもループの中で幸せになればいいじゃないですかと日和る。それに対し主人公くんは三羽が永遠に母親から捨てられるループなど許容できず、生命への意志を説き、三羽を励ます。最終的に主人公くんは死亡。主人公くん死亡後、またもやタイムリープが起こってしまう。三羽自身については、主人公くんに愛を与えられたことにより、愛を求めるだけでなく、相手に与えることが大事だと気付く。これまで一方的に母に甘えていたが、これからは母に愛を与えようとすることで、折り合いをつけることにななるのだった。三羽の精神的成長を描いたシナリオ。
- ましろ√(ウイルスの狙いについて)
- ましろの白血病の事故の原因を知った主人公くんは、その原因を取り除くことに成功する。ましろは事故を回避し、白血病には罹患せず主人公くんとフラグを構築し、ジェットコースターに乗りたいという夢も叶える。しかしましろの懸念は自分が事故を回避できたため、違う誰かが事故にあってしまうのではないかということであった。これを防ぐため、アぺイリアにVRMMOの調整を行わせるのだが、これによりアぺイリアが捉えられてしまう原因となる。ましろ√ではアぺイリアを救うため、ウイルスを全て除去することになるのだが、ここでウイルスに対する認識がコペルニクス的転回したりパラダイムシフトしたりする。今までウイルスはアぺイリアを守ってきたと思われていたが、逆にアぺイリアを手中に収めようと浸食しているのではないか論が発生する。これによりウイルスを完全除去できればデスゲームは終わりログアウトできるようになる。このように仮説を立て、ウイルスを完全に除去するが何故かタイムリープが起こってしまう。こうしてましろを白血病から救いましろを想った時間軸は消滅するのであった。
- 久遠√(スワンプマンについて)
- 久遠は母親と喧嘩別れしたまま仲直りできず、ほどなくして母親を亡くしてしまったという過去を持っていた。タイムリープした主人公くんは、死に際に久遠と母親が仲直りできるように配慮してあげる。これにより久遠はトラウマから解放された。幼馴染属性を持つ久遠は主人公くんに対して10年前から好感度マックスであり、この母親の死を契機として、久遠は積極的に主人公くんを攻略する。そしてVRMMOに入り、タイムリープの原因に挑む。久遠√で回収される伏線は、人間の脳を電子データ化して死者の蘇生を目指すという内容(スワンプマン)。久遠の父は妻を亡くしてしまったことにより、妻の脳をスキャンし復活させようとしていた。それに先駆けて久遠の父自身が自分の脳を使ってコピー体を生み出した。コピー体は自分が別個体ではなく同じ意識体であると主張する。だが主人公くんは、クローン人間と同じで脳をコピーしたとしても別個体となり全く同じ人間など存在しないと述べる。こうして二つの意見がだされたが、コピー体の父親が非合理的な妻や娘を愛していなかったと論じたのに対し、本体の父親は非合理であるからこそ、妻と娘を愛していたと説く。こうして意見は分裂し、コピー体は別個体だと証明された。こうして問題は解決したのだが、またもや強制タイムリープが発生する。主人公くんの活躍で、久遠の母親は死そのものを回避できたのだが、その時間軸もループしていったのだった。
グランド√
- アぺイリア編(タイムリープと時間差トリックについて)
- ましろは事故死し、三羽のクローンは廃棄され、久遠の母親は死ぬ。シンカーは原初の時間軸の主人公くんであると判明(※これはブラフ、ミスリードであり、シンカーは原初の時間軸の主人公くんではなく、AIである主人公くんをコピーしたAIであるとどんでん返しされる)。シンカーの時間軸でのアぺイリアは自我がないため、アぺイリアへの執着は生まれず、アぺイリアを完全消滅させることが狙いであった。このシンカー(原初主人公)に対し、タイムリープを重ねた世界ではアぺイリアが精神的に成長していき、主人公くんはアぺイリアに愛着を持つようになっていく。こうしてアぺイリアを消そうとする原初主人公くんとアぺイリアを守ろうとするタイムリープを重ねた主人公くんが激突するという形をとる。
- 危険になったらタイムリープして繰り返せばいいじゃん?という指摘に対しては、主人公くんは次の時間軸のアぺイリアはスワンプマンと同じで、現在の時間軸のアぺイリアとは別個体となってしまうのでタイムリープしたくないという結論に辿り着く。では一緒に死のう、アぺイリア。こうしてシンカーに対して、アぺイリアを死なせるという取引をして最後の1年間の平穏を得た。最後の1年間という限られた中でこれでもかと表現されるアぺイリアのとても可愛い姿をご堪能ください。この最後の1年の中でも主人公くんはアぺイリアを救う手段を思いつくことが出来ず、最後の別れに涙する。だが、最後の瞬間、ノートパソコンのバックアップと初期化の中から世界の時間差トリックを見抜き、ファイナルバトルに挑むことになるのだった。
- シンカー編(シミュレーション仮説編〜シンカーは味方〜)
- ラスボスシンカーは主人公くんの原初の時間軸の姿と説明されていたが、ブラフであった。その正体は世界の観測者かつVRMMO内にしか存在しないAI、すなわち主人公くんのスワンプマンだったのだ。主人公くんを倒して成り代わろうとするシンカー。その方法はアぺイリアにシンカーが主人公くんであると認識させること。シンカーが主人公くんと全く同じ身体と精神と記憶を持っていたとしてもアぺイリアが主人公くんであると認識しなければ成り代わりには成功したとはいえない。よってシンカーが主人公くんにとってかわるには、アぺイリアの認識を書き換えることが必要だったのだ。一騎打ちの末、主人公くんは仲間パワーによってシンカーに打ち勝つ。だが、ここでもまたシンカーがラスボスではなかった。シンカーから語られるのは、シミュレーション仮説。宇宙はコンピュータの作り出した仮想現実に過ぎない。主人公くんも何もかも。ホントウの現実世界で主人公くんたちを観測している観測者がタイムリープを起こしているとのこと。シンカーを倒しても主人公くんはタイムリープさせられる。だがこの時間軸もまた無駄ではなく、シンカーの想いを読むことができる。シンカーは主人公くんに成り代わろうとしていたが、主人公くんはスワンプマンは死ぬべきと考えているので永遠に遠ざかってしまう。故に最初から矛盾があった。だがシンカーもまたアぺイリアを守りたいと願って消えていくのであった。このことから観測者を欺くために、シンカーが主人公くんの味方ではなく敵であると誤認させていたことが判明する。
- 今度こそ本当に世界設定回収(主人公くんたちは仮想現実が生み出したAIだった説)
- シンカーは主人公くんに成り代わろうとしたAIだったが、主人公くん自身もまたAIだった!世界の設定を整理すると、本当の現実世界、そして現実世界で作り出された仮想現実VRMMOが「ファースト」、主人公くんがアぺイリアに作らせたVRMMOが「セカンド」、セカンドにあったVRMMOが「サード」。主人公くんは「ファースト」におけるAIとのこと。そしてついに現実世界に主人公くんが出現すると、現実世界においてもまたクローンである三羽が、主人公くんを処分しにやってくる。ここでの三羽との会話で世界設定の答え合わせが行われる。現実世界でも三羽は孤独であったことを突いて主人公くんは「ファースト」での約束通り、三羽を救うと述べ味方につける。
- 最後が突如ハッピーハーレムエンド。これって仮想現実「ファースト」のはなしなの?
- でだ。ここまで読んできたら、フツー主人公くんやアぺイリアを処分しようとする「現実世界」側の人間との戦いが繰り広げられると考えるでしょう?ところがどうでしょう。アぺイリアが復帰して、なぜかましろや久遠も復活して全ての記憶を継承しており突如ハッピーハーレムエンドになりましたとさ。私は理解が追いつかずポカーン状態。あるぅえー、「現実世界」での戦いって起こらないの?それとも理解不足?良く分からないまま流れるエンドロール。だが、一応おそらく最後に示された干渉箱が答えになるのか?つまりはエンド後に観測箱の干渉縞が無くなっていることが強く強調されて終わる。このことから観測者に見られている世界だということ。つまりは主人公くんたちがハッピーハーレムエンドを展開している舞台は現実世界ではなく仮想現実「ファースト」だと類推することができる?ということなのかな?良く分からない。そう考えると随分と歪な形での、AIたちが仮想現実「ファースト」で幸せを手にしたという解釈なのか?