ルリのかさね体験版v1.00の感想・レビュー

事故により父と姉と義兄を亡くし、姪っ子と二人暮らしになってしまったはなし。神社モノ。
体験版では姪っ子との出会いから徐々に仲良くなっていく様子が丁寧に描かれていく。
ねこねこソフト歴代健ちゃんの伝統を引き継ぎ、ぎこちないながらも相手を慮る様子をお楽しみください。
姪っ子に事故をどのように伝えるかや児童福祉施設に預けるか否かの葛藤が見どころです。
叔父と姪の関係から、義兄と義妹に関係性が変わる描写がステキ。
あとねこねこソフトの伝統である誤字脱字や設定の矛盾などもあるので気にしてはいけない。

雑感


  • 姉夫婦が近所に越してきた。姪っ子との出会い。
    • 主人公くんは田舎の零細神社の跡継ぎ。父子家庭であり父親は兼業であり日中はリーマンをやってます。そのため神社を留守にするのは良くないということで、主人公くんは万年帰宅部なのでした。そんななか、結婚して家を出ていた年の離れた姉が、近所に戻ってきます。姉夫婦は仕事が忙しいようで、小1の姪っ子は頻繁に遊びに来るようになります。最初は小さい子どもの相手を面倒に思っていた主人公くんですが、姪っ子が両親にかまってもらえずに寂しがる様子を見て、憐憫を感じていくのでした。ねこねこソフトさんは日常描写がとても巧みであり、チューチューアイスシャンプーハットを経て、次第に姪っ子が懐いていく様子が良いですね。主人公くんが風邪っぴきイベントはグッときます。主人公くんが風邪をうつさないように姪っ子を家へ帰すため、わざと邪けんに扱うのですが、それでも主人公くんを慕って待っており、とうとう主人公くんが姪っ子を受け入れるのです。
    • 当初、姪っ子が主人公くんの神社へたびたび訪れていたのは、もしかしたらニグレクトフラグか?とも思っていたのですが、ただ単に仕事が忙しかっただけのようです。両親が仕事で忙しく独り待つ少女というとCLANNADの渚の幼少期を彷彿とさせます。


  • 叔父から兄へ
    • そして姉から直々に子どもの面倒を見てくれと頼まれるようになった主人公くんでしたが、父と姉夫婦が出かけた事故死してしまうのです。「幼い子どもに死を理解させる」イベントが発動。主人公くんは当面、死を隠すのですが、いつまでも棚上げしておくわけにはいきません。市役所と相談して姪っ子の身の振り方を決め、別離を選ぶのですが、この時の葛藤の内面描写が切なさ炸裂します。「子供のママゴト遊びに、付き合ってやることしか出来ない、無力なおじさんにすぎなかった…」は破壊力バツグン。最後の別れを惜しむ際、主人公くんに考えを変えさせる要因となる「……じゃ、じゃあ、ずっと一緒に、いさせてよぉ」のシーンから「親でも保護者でもない俺だから、全てを賭けることに躊躇う。家族になれば、何も躊躇うことがない」と覚悟を決める展開は思わず引き込まれてしまいますね。こうして主人公くんは叔父から兄へクラスチェンジし、姪っ子がイモウトになったのでした。


  • サブヒロインズ
    • 社会人編。ねこねこソフトさんは、フツーの大人として生きることの大変さ(社会人として資本主義社会の一員となり勤労の義務を果たすこと)を描く巧みさに定評があります。『そらいろ』のからあげを詰める仕事の話や『すみれ』の主人公くんの悲哀などが有名ですね。本作品では、金髪とバイト戦士を通して社会人の労働観が描かれていくことになります。顔見知り幼馴染程度に過ぎなかったポンコツ金髪さんが、高校時代から社会人になるまでの間に、どのように関係性変化していくのか楽しみで仕方ありません。あーあれでしょ?主人公くんに自覚はなくとも幼少期に救いとなっていたとかそんな感じ?現在の時間軸だと26歳とのことですが、社会人ヒロインがもっと増えても良いと思いますね。あと数合わせ枠の匂いがするバイト戦士さんは、なぜこんなに労働に励むのかがシナリオの原動力となっているため、それをどのような内容になるかでシナリオの質が上下しそうです。