Dear My Abyssの雑感

クトゥルフ神話を題材にした百合伝奇。しかし私は雰囲気ゲーとしてぼんやりとプレイ。
二人の少女の視点で同じ怪奇事件が語られる。前半は明るく活発な魅栖華視点、後半は根暗人見知りの昴視点。
メインヒロインは昴であり、魅栖華は昴に懸想しているがその想いは通じず、昴は妖怪と百合になる。
全体の構造とか伏線とか元ネタとかはとりあえずスルーして読み進めていった。
個人的には人付き合いが苦手で世を拗ねる昴の心情やメソポタミアの生まず女の聖娼、夢世界の心象風景が好き。
omegaの視界や或るファの音眼などの伝奇もそうですが、雰囲気だけ楽しむってのも私としてはアリ派。

雑感(個人的にとても印象深かった場面について)


  • 対人関係に倦み孤独な夢世界で時を過ごす所が好き
    • メインヒロインの昴はコミュ障ぼっち。人付き合いが苦手で裏切られるのが怖いからイマジナリーフレンドを構築して警句を発せさせ、他人と仲良くなってもある程度の線は踏み越えないように距離を置くほどの筋金入りです。しかも孤独を受け入れることができず寂寥感満載であり、それ故、他者を見下すことでしか自分の精神を維持できないのですね。嗚呼なんと「ぼっちあるある」ではないでしょうか!!とても共感できます。つーか、どう見ても高校生時代の私ですね。いや、今でもそんなに変わってないかもしれません。無縁社会を地で行き孤独死まっしぐらでござい!!ホント一体自分は何のために生きているのかと人生の存在理由とか考えちゃうことしきり。生まれてきたくなかった・・・。昴ちんも親とも折り合いが悪く、地域共同体に根差しているわけでもなく、学校生活も鬱屈しているという血縁・地縁・社縁が全くない!
    • そんな生きるのだけでも精一杯な昴が、逃げ込んだのが完全に個人だけで完結した世界。寂しさを感じるのは自分以外の他者が存在しているから。他者が楽しそうなコミュニケーションをとっている姿を眼前にせざるをえず、それ故、嫉妬や羨望が生まれるのです。他者が存在せず、自分だけのセカイなら平穏と魂の安寧が得られるに相違あるまいて。そんなわけで私はバッドエンドのひとつである安寧エンドが大好きです。閉ざされた世界で朽ち果てるだけを待つ人生を送ることを願います。
    • しかしまぁ、バッドエンドで先を読まなくてここで終わってしまっても充分良いのですが、物語を進めるにあたっては安寧を乗り越えなければなりません。昴が愛するルウのために力を発揮して現実世界へ回帰するところもまた見どころとなっています。