Document study method(012)「The document of history of university」

北海道大学125年史編集室編『北大の125年』(北海道大学、2001年)の4章「戦争と北大」 1節「昭和恐慌から戦時体制へ」 を叙述する際に使用した史資料について

「軍事研究と研究体制の再編」

  • 戦争と大学のテーマ 大抵学徒出陣が主題となる。大学とは被害者論になりがち・・・
    • だが現実は、戦争中に盛り上がっていく 経済的にも上向き 新しい出来事が起こってウハウハ 明るい未来 未来展望がある時代
    • 1942年までは勝ち続けるので、勝った話と軍需生産が伸びたはなし
    • 戦時期の『北海道帝国大学新聞』も戦時期ウハウハで上向きに伸びている。
  • そして北大は次々と研究業績が評価される!!!北大の黄金期
    • 堀内壽郎教授が恩賜賞に輝く(化学反応機構の研究)。
    • 中谷宇吉郎が帝国学士院賞(雪に関する研究)
    • 茅誠司(強磁性結晶体の磁器的研究)
    • 功刀金二郎(抽象空間の研究)
  • 北大は戦時中軍事研究に貢献した
    • 中谷宇吉郎の軍事研究→「千島及び北海道の霧の研究」「航空機への着氷防除に関する研究」。後者は海軍から研究費を得てニセコアンヌプリ山頂に観測所を建設。零戦の実物を用いて実験が行われた。
  • 北大の研究が世間に認められ、研究所が次々に開設される。
    • 低温科学研究所、超短波研究所、触媒研究所
  • 軍事研究の焼却
    • 軍事研究は、学術研究会議からの指令により焼却され、あとは何事もなきかのごとき静かな大学に戻った。
    • 戦後、軍事研究者狩りが行われたが、追放者はゼロ。軍事研究ではなく一般的な科学研究であると解釈する。
    • 小樽高商では摘発されて辞めさせられている。
    • 軍事研究とは何かということが総括されなかった。
    • 毒ガスの問題 北大には毒ガスが保存されていた。 工学部50年史などの証言で毒ガス開発について触れられている。工学部は空襲に備えて偽装工作をしていた。
  • 大学と戦争
    • 研究は戦争によりカネがいっぱい落ち、研究が進展する。若手研究者にお金をあげるし、学生定員が増える。農業スタッフが必要であり、農業経済の定員も増える。

学徒勤労動員のはじまり

  • 対外向けアピールだった
    • 帝大性を労働力として使用することの無意味さ→対外向けに愛国心を示す アリバイ作り 北大生もやっていますというポーズ
  • 1943年から一変する
    • 帝大性を最大限利用されることになる → 樺太の敷香の北方にある初問の飛行場建設に全学を挙げて従事
  • 1944、45年は戦争末期の通年動員となる
    • 3年生は専攻・就職先により分散配置、2年生は専攻を活かして集団配置、1年生は臨時動員。工学部は兵器を作っている自学科に配置されたりした。
  • 学徒出陣
    • 1943年10月、在学徴収延期停止の措置がとられ、学徒出陣。本来は文系が学徒出陣するはずなのに、農学科、農経、農業生物、水産、農学実科、林学実科、予科が理系なのに学徒出陣させられた。
    • 本籍地に近い舞台に所属、北海道内に本籍をもつ学生のうち約半数はカミシスカの舞台に所属。

質疑

  • 北大満蒙研究会
    • 北大の教授たちが満州へ行って産業開発などに協力している。
    • 北海道農法の満洲国への移植については北大卒の技師たちが貢献している。
    • 北大の卒業生の就職先として満洲や大陸に行っている。