雑録

極東蘇聯史003「対蘇戦論とノモンハン事件」

  • 前回までのあらすじ
    • 日ソ戦争を考えるうえで、ノモンハン事件を考えておくことは重要。
    • 前回までの時間で1935年までは日ソ関係は非常に有効
    • 満洲国をソ連は認めないけれども、東京で蘇連と満洲が交渉して北鉄を譲渡している→存在は認めている。
    • 1937年以降は国境紛争が勃発している。
    • 社会主義だから反共で仲が悪かったかというのは語弊

(1)国境紛争の激化

(1)-1.カンチャーズ島事件
  • カンチャーズ島とは
    • アムール川の中にある島
    • 国境線は川の主流によって決まる。かつては中国側に主流があったのでソ連領だったが、のちに北側に移った。
    • 1937年5月31日、主流が北側に移ったとして、満洲国の江防艦隊が北側水路を航行。
    • ソ連は主流が変わったことを認めていなかったので、自国領と認識。ソ連軍はカンチャーズ島に上陸(6/19)
    • 6/28参謀本部 「僻遠の地にあるこの島の問題は国力を賭するに値しない」とする。
    • 6/30関東軍、蘇連砲艇を攻撃。連絡はいっていたが、現場の人達は頭にきてちょっと戦争しちゃった。参謀本部の命令の方が先なのだが。
    • 日ソ間の国際関係でも武力衝突はしないと約束していた→ソ連は重光を非難したが、蘇聯は報復しなかった。それも収まる。
  • 1937年5月〜6月 日中戦争が起こる前 日ソ関係は仲良しが続いている
    • しかし1938年には張鼓峰事件が起こる→日中戦争が変わり目か!!!
    • カンチャーズ島の結果の時は、満洲国の主張が受け入れられた!!
(1)-2 張鼓峰事件
  • 【重要】ソ連日中戦争は始まると中国の蔣介石政権に対して軍事援助を始める。
    • 日中戦争が始まるとソ連は蔣介石政権に軍事援助 → ソ連、ドイツ、イタリアが空軍を援助
      • 挿話:中国人が多様な国籍がありすぎてマニュアルが違って戸惑う
    • 蔣介石は中共と対立している
    • ソ連中共よりも蔣介石政権を応援している 内紛を激化させようとはしていない
    • 【重要】日ソ間は敵対的になる
  • 1938年6月13日 内務人民委員部司令官ゲンリフ・シュシコフが張鼓峰を徒歩で越えて日本に亡命
    • →以後、ソ連軍による国境侵犯が激化 →第一九師団が独断で夜襲、占領(これが張鼓峰事件のきっかけ)
    • ソ連軍は汚名を返上したい意図があった。
(1)-3.天皇と日本政府の抑制方針
  • 張鼓峰事件の推移
    • 1937年時点の東京の在り方:参謀本部天皇は冷静に判断し派兵を拒否している。
    • 戦闘の結果、 第19師団の死者 526人 赤軍死者数 236人・408人
    • 8/6ソ連軍、2個師団と赤軍 戦車、航空機で攻撃 
    • 8/10外交交渉により解決
  • ソ連と戦争すべきだという主張自体はずっと根強くありました

(2)対ソ戦論の高まり

(2)-1.陸軍中堅層の意向
  • 対ソ戦についての当時の考え方
    • 海軍は対英米が大事 陸軍のメンバーは対ソ戦が大事
    • 日本軍は日中戦争に勝てない!それはなぜ→諸外国が蔣介石支援
  • 1938年11月25日時点での考え方
    • 陸軍は数年のうちに対ソ戦
    • 海軍は対ソ戦に反対
(2)-2.ノモンハン事件
  • 関東軍作戦課 辻政信少佐「満ソ国境紛争処理要綱」を作成 
    • 「急襲殲滅」、「自主的に国境線を認定」 → なんでこれが通ったのか歴史的にも疑問
    • 辻政信とは
      • ノモンハン事件で服部とともに強硬論を主張して敗北を招く
      • 太平洋ではマレー、シンガポールガダルカナル 
      • 戦犯になることを恐れてタイのお坊さんとなって逃れる
      • 逃亡に成功 帰国後 逃亡三千里の書籍を出す
      • 辻が関わると強引な作戦で負ける
      • 戦後、帰ると人気があって衆議院議員(石川)→のち参議院議員
      • 東南アジア視察中にラオスで行方不明となる 最後は謎
      • 軍人として経歴は特異 要所要所で辻が出てくる
  • 東京は結果的には黙認
    • 参謀本部はまさかこの通りにやるとは思わなかった
  • ゴールドマンの主張
    • 現地軍は国境争い。東京に止められている。
  • 国境処理要綱は東京で黙認され、認められる。
  • 5月に戦闘
    • 8/21に独ソ不可侵条約締結発表を受けて攻撃中止
      • ソ連とドイツが結びついてしまったので陸軍の計画は破綻する
  • 事件の敗北は陸軍の対ソ戦略に重大な打撃を与え、対ソ開戦の企図を挫折に導いた。
    • そうすると関特演の説明が難しい。→【次回】関特演の説明