雑録

史料判読能力養成講座004 幕末外國関係文書を読む その2〜外交上の儀礼体系と敬意表現〜

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外交上の儀礼体系について

  • コンシュル セネラールについて 
    • 総・領事 コンシュルが領事 セネラル(ジェネラル)が総 
    • 総領事の下に領事がいる 大使-総領事-領事-書記官(一等・二等・補)
    • 札幌には総領事館がある→アメリカとロシア 
    • 大使館は大体首都にある。大使館がない場合は総領事が一番上
  • 幕末:国際法(万国公法)との対峙 
    • ウェストファリア体制がウェスタインパクトとして東アジアにやってきて日本はそれをどう受容するのか
  • 外務大臣特命全権大使 
    • 特命全権が重要になってくる。特命全権があるかないかで外交官の格式が違ってくる。 
    • 誰の特命? → 国のトップが命じる。
    • 大統領が特命全権を付与したら、その人がその国の代表となる 。
    • 現在の日本の場合は?→外務大臣でも総理大臣でもなく、天皇の信任。天皇陛下の信任状をもって外国へ行く。アメリカは合衆国大統領の信任。
    • 特命信任状を渡しに行く→日本は国事行為として天皇が授受する。
    • 特命全権を貰って来た大使は ユア-ハイネス 閣下の称号を帯びる 
      • オッサンなのでギアスを思い出してしょうがない。

敬意表現について〜闕字・平出・抬頭・欠画・改名〜

  • なぜ「御使を以」の下にスペースが空いているのか
    • 敬意表現のため。
  • 幕府が国際法に則って条約を締結する
    • 将軍-老中-江戸(幕府)⇔京都(御所)-摂関-天皇
    • お使いを出すのは幕府→条約に関することについて奏聞する
  • ☆敬意の払い方 闕字・平出・抬頭・欠画・改名
    • スペースを開けているのは敬意を払うため → 改行することを「平出」という。
    • 一文字だけあけることを「闕字」(けつじ)という。
    • 「欠画」(けっかく)→画数を削るという意味。
      • 天皇陛下のお名前は明仁さま。山田明くんがいるとする。天皇陛下と同じ名前を名乗るのは失礼! そうした場合、一画消す。
      • 武家の場合は名前を変えてしまうこともある(「改名」)。
  • 国際標準の儀礼体系と日本の儀礼体系をどのように整序していくのか→これがかなり難しい 

本文について


日本と合衆国と仮条約 取り替しの儀に付
(ニホン ト ガッシュウコク ト カリジョウヤク トリカワシ ノ ギ ニ ツキ)
【日本と合衆国と仮条約の取り交わしのことについて】

京都 江(へ) 御使いを以
(キョウト ヘ オツカイ ヲ モッテ)
【(公方様が)(私=堀田を)京都へお使いを出して、】

奏聞を 遂げ被れ 候 間 帰府迄
(ソウモン ヲ トゲ ラレ ソウロウ アイダ キフ マデ)
【(公方様が)(私=堀田を介して)天皇陛下に申し上げなさったので、(私が)帰ってくるまで、】

調判 相成り難し 
(チョウハン アイナリガタシ )
【(私=堀田正睦はハリスに対して)サインをすることはできません。】

右は二ヵ月 相掛る可し
(ミギハ ニカゲツ アイ カカル ベシ)
【(京都から江戸に帰ってくるまで)は二ヵ月はかかるでしょう。】

※条約勅許を得るまで答えられないとのらりくらりしている堀田正睦

チェック!

  • 取り上げられた文字
    • 「被」
      • 「被」は修飾語とか「被告」とか言うでしょ。「被」には、受け身(〜される)の意味がある。受験古文漢文ネタ。
    • 「候」
      • 暗記せよ nと覚える
    • 「間」
      • 日は読めるでしょ。その上になんかついてるカタチ。
    • 「帰」
      • 暗記。確かに読めないわな。
    • 「迄」
    • 調判
      • 調印はスタンプ 調判はサイン