史料判読

史料判読能力養成講座013 原敬の選挙戦術

今回は史料判読能力養成講座の試験。『原敬日記』を初見でどれだけ翻刻できるかのテスト。 〇 十日 総選挙終る 余は多数にて当選したる予測なり 昨夜より部署を定め 今朝各町より順次に徒歩にて繰り出したり 仙北町方面を第一着とす 反対派は三々伍々選挙上…

史料判読能力養成講座012 官報の号外には何が記載されているか? 他、皇室典範における践祚と即位・明治天皇の大喪・海の日など (『原敬日記』7月30日より)

前回、教授の質問に的確に答えられず即死したため、下調べをして講義に臨みましたが、結果はどうだったでしょうか? つ〜残念なお知らせ〜 【劣等】今日も教授にフルボッコ【恥辱】 はい、どーも。今日も教授にフルボッコ!知性を示すには出題者の意図に対し…

史料判読能力養成講座012のための下調べ 明治天皇崩御〜大正天皇即位礼まで

前回のあらすじ 教授に質問されて答えられず死亡 http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20180702/p1 第12回では『原敬日記』の明治45年7月30日の大正天皇践祚の儀を読むので、下調べのためのメモ。 【時系列整理】 明治天皇崩御〜大正天皇即位礼 1909(明治42)年2…

史料判読能力養成講座011 明治天皇崩御(『原敬日記』明治45(1912)年7月29日より)

教授の質問に答えられなくて死亡。 質問まとめ キミは答えられるか!? 問1.明治天皇大喪の日付を答えよ。 問2.明治天皇の死去は七月三十日(宮内省発表)だが、明治天皇大喪は九月十三日である。なぜこのような期間が生じるのか? 問3.なぜ明治天皇の実…

史料判読能力養成講座010 日露戦争前夜(『原敬日記』明治37(1904)年2月3日、5日より)

今回扱う箇所 日露戦争前夜、国民世論も元老も日露戦争を望んではいないが、日々戦争が近寄ってきている状態。 今回のおはなし ロシア側は大幅譲歩する提案をしていたが、日本が通信線を遮断していたので届かなかったという説。 当時の通信というのは有線で…

史料判読能力養成講座009 皇太子時代の昭和天皇の洋行問題・宮中某重大事件(『原敬日記』大正9(1920)年12月7日の一部より)

崩し字 図像で覚える? 偏と旁に分けて崩す前の字を想起してたらタイムアップ 毎週、崩し字を約700用例覚えてきて40個翻刻するテストがある。それはもう莫大な時間を費やしてしまっている。前回の試験では、崩し字そのものを覚えようとして失敗したので(点数…

史料判読能力養成講座008 文官任用令改正問題 (『原敬日記』大正8年11月12日の一部より)

歴史学における語学の壁 語学の単語習得において、ひたすら単語「だけ」覚えていくというのは、非常につらいものがあります。文章を読みながら出てきた単語を覚えていく方が個人的にはまだマシ。くずし字も同様でして、毎週約700単語の中から40個出題されて…

【史料判読能力養成講座で使うようのメモ】国史大辞典より 原敬・枢密院・文官任用令

国史大辞典に小見出しを付けて自分用に読みやすくしたもの。国史大辞典に以下のような小見出しがついているわけではないので注意。 原敬 はらたかし 一八五六 - 一九二一 (鳥海 靖) 概要 明治・大正時代の政党政治家。幼名は健次郎。鷲山・一山・逸山など…

史料判読能力養成講座EX001 幕末外國関係文書通読

講義で通読し終えたので、個人用のまとめ。 (あくまでも個人用。間違ってる可能性も大いにあるので信用しないでください) 概要(超☆訳) (※前提:雄藩がガタガタ言うので、天皇の権威を利用して黙らせようと、条約勅許を得るために、堀田正睦は京都へ行った。)…

原敬日記について

次回から史料判読能力養成講座で読むらしいので概要をメモ。 国史大辞典より 原敬日記 はらけいにっき (鳥海 靖) 概要 明治・大正時代の政治家原敬の日記。原敬は「はらたかし」と読むのが正しいが、日記は「はらけいにっき」と呼称されている。 期間 明治…

史料判読能力養成講座006 幕末外國関係文書を読む その4「朝廷の権威を利用しようとした堀田がしっぺ返しを食らうことになるその直前」

前回までの復習 Q1.ソコモトとは誰か? A1.ハリス Q2.「江戸表より申越し」を解釈せよ A2.この時堀田正睦は天皇から日米修好通商条約の勅許をえるために、上京していた 堀田in京都 ←江戸 ↑(移動) ハリスin下田(静岡) 京都にいる堀田正睦へ、江戸に下田からハ…

史料判読能力養成講座005 幕末外國関係文書を読む その3 「堀田正睦、条約勅許の為に上京の折、江戸からの知らせでハリスが再出府したことを聞く」

前回までのあらすじ 敬意表現の復習 闕字<平出<抬頭 欠画、改名 改名の具体例 → 松田伝十郎が松田七郎左衛門と改名した。 松田伝十郎とは、間宮海峡見つけた人。報告した人が間宮林蔵。三丹交易を取り仕切った人が松田伝十郎。 三丹交易とは→とにかく中国…

史料判読能力養成講座004 幕末外國関係文書を読む その2〜外交上の儀礼体系と敬意表現〜

本日のメニュー 外交上の儀礼体系について 文書形式における敬意表現について 本文読解 外交上の儀礼体系について コンシュル セネラールについて 総・領事 コンシュルが領事 セネラル(ジェネラル)が総 総領事の下に領事がいる 大使-総領事-領事-書記官(一等…

史料判読能力養成講座003 幕末外國関係文書を読む その1「古文書でまず見るべき箇所はどこか?」

歴史は結局、一次史料にアクセスできるか否か。つまりは語学。日本史の場合も古文書を読めねばどうしようもない。 語学は自助努力であり、古文書は辞書を引いた回数による。字が読めなければどうしようもない。 古文書の文字を一つ一つ、くずし字用例辞典と…

史料判読能力養成講座002 変体仮名読解

【1】変体仮名について 仮名とは 現行の活字は50音。50音にひとつのひらがな・カタカナがあてられている。戦後の現代かなづかいは、ひとつの音にひとつの音をあてることを原則としている。 例外:ず・づ、は・わ、お・を 金田一京助先生について 知里真志保…

史料判読能力養成講座001 古文書について

1:資料と史料 (1)様々なシリョウ 文字シリョウ(製本・絹本・金石etc)、 手稿本(手書き)、 版本 板本と活字本 図像シリョウ → 絵巻物など モノシリョウ → 物質 玉虫厨子、弥生土器など 口承伝承 → オーラルヒストリー 景観 → 屯田兵村など 2:文書と記録 (1)…