スチームパンクシリーズ。幕末の架空戦記。史実から徐々にずれていき異能バトルになる。
章が終わるごとに、章のまとめとして、現実の史実と作品の世界観のズレを修正する選択肢が入る。
シーボルトの娘の娘とされる少女を京都へ送り届けるだけの筈が陰謀に巻き込まれていく。
第二章までは基本的に主人公くんはシナリオの流れに踊らされているだけのような感じがする。
第一章 江戸、京都への移動編
- シーボルトの娘の娘?
- 物語の中心人物となるのはシーボルトの娘であるお稲の、これまた娘とされるりんという人物です。第一章は主人公の伊庭八郎とりんが出会い、打ち解けるまでが描かれます。主人公くんは生真面目系実直的人物。弟の友達の縁故で間接的に巻き込まれていくことになります。弟の友達はシーボルトの娘:お稲に母性を感じており、江戸で再会して嬉しくなるのですが、そのせいで事件に巻き込まれてしまうのです。伊庭八郎は弟の友達にお稲さんを助けてと請われて動くことになります。しかし伊庭八郎、何もできませんでした。結局、お稲さんは主人公くんに看取られて死に、りんの行方も見つけられないまま、イキナリ上司に呼び出されて荷物を京都に届けろと命令されて、その任務につくことに。急展開であること事の上なく、何も解決しないまま京都へ。一応、プレイヤーにはその荷物がりんであることが読み取れるようになっているのですが、なんともはや。で、京都へ行く道中で襲撃者を撃退したり、色々と言葉を重ねるうちに、伊庭八郎とりんは親しくなるのでした。
第二章 京都編
- 歴史改編に翻弄されるはなし
- 第二章では大きく歴史が改編されます。第一章では、物語上の幕末はペリーの黒船による開国ではなく、航空要塞の江戸上空襲撃により開国させられ、蒸気機械文明が導入されていることが紹介されてきただけでした。しかし第二章では大きく史実から外れることになります。伊庭八郎とりんは新撰組の屯所に身を寄せることになるのですが、池田屋事件からの流れが急展開。まず新撰組が長州側に敗れる事から始まり、ついでに長州はその足で禁門の変を発生させます。さらになぜかもう既に薩長同盟が結ばれており、幕府軍は薩長軍にフルボッコ。まさかの禁門の変で負けゲーとなります。伊庭八郎はこの戦いのなかで、覚醒したりんに拒絶された挙句、敵には左腕を切り落とされ、倒れることなるのでした。そして二章の末尾で、同著者の作品である『ガクトゥーン』の主人公:二コラに伊庭八郎は拾われ、幕末モノではなくスチパンモノの匂いが強くなっていきます。