印象に残っている各製作会社の公式webにおける宣伝戦略とSummer Pocketsの事例の比較

印象に残っている他会社の販売戦略

  • ゆずソフトのカウントダウンムービーと『トナコイ』のスタッフブログ
    • 各ゲーム会社は製品の認知度を高め、1本でも多く売ろうと様々な販売戦略を行っています。有名なのはゆずソフトのカウントダウンムービー。ただ宣伝するのではなく、小粋なギャグテキストを挟んでエロパロブラックジョークで視聴者のリピートを高めています。
    • また『キミのとなりで恋してる!』(となこい)はスタッフブログが秀逸でした。本当は持ち回りだったそうなのですが、実際はほぼ一人のシナリオライターだけで回されていました。スタッフブログなんて、どこのメーカーでもやってるじゃん?とお思いでしょうが、『となこい』はライターがキャラの魅力やシナリオのウリポイントを語ることで、期待感をうまく醸成しておりました。事前の人気投票であまり人気のなかった小松莉奈に(オススメ!)とかやってたのですが、製品販売後にセーブデータのところでオススメ!とかでてきた時には、スタッフブログを読んでいたプレイヤーは思わず噴き出したことでしょう。
    • 過去において、最初はそれほど注目されていなくとも、発売されてから漸進的に売れ続けた結果、ベストセラーになり有名になることも多いので、本当に売るためには良いシナリオを書くことなのでしょうが。発売前はどことなくお祭りの準備にも似ているところがあり、どのような販売戦略を行うかが楽しみなところもあります。
  • 製品が発売されてから伸びる事例
    • その要因としては、口コミだけでなく、解釈論争と二次創作の影響も大きいです。現在のシナリオゲーは完結されており、1回読んで消費して終わりという製品が少なくありません。しかし、かつてはONEの永遠についてや、CLANNADの幻想世界などのように物語をどのように解釈するのかで盛り上がった時期がありました。また二次創作といっても薄い本を出すだけでなく、テキストサイト全盛期であったこともあり各自が思い思いにSSを書きまくり、それをSSリンクが統轄しており、プレイした後のその後の世界をプレイヤーが生み出していくということが行われていました。リーフの東鳩でセリオさんが大人気となり二次創作が行われまくった結果、公式が逆輸入するということもありました。製作会社Lightの場合は、公式が二次創作用の素材を提供していたこともありました。

Summer Pocketsの公式webでの宣伝の特徴

  • サマポケの宣伝は主に4つの要素から成り立っています。「応援イラスト」、「スタッフブログ」、「サマポケ劇場」、「連動イベント」です。プレイヤーに毎日アクセスさせるための取り組みとして、月・水・金が「応援イラスト」、火・木がサマポケ劇場の更新日となっています。
  • 「連動イベント」(イベント情報)
    • 売店やカフェとのコラボ、原画展、トークショーなどですが、作品内容とはあまり関係がありません。地方在住者や社畜には全く関係ない出来事です・・・。特典配布を利用して、ショップにある絵を写してスマホSNSに投稿させ、プレイヤー自身に宣伝させる試みなどが行われています。
  • 「応援イラスト」(応援イラスト)と「サマポケ劇場」(サマポケ劇場)
    • 「応援イラスト」については、資本力とメーカーのブランド力の結果とも言えます。各業界の有名絵師たちにサマポケのイラストを描かせ掲載していくというスタイルを取っています。縁故関係者やKeyファンも多く「あのKeyのサイトにイラストを載せられるの!ステキ!!」と、鍵ファンの絵師たちが自発的に協力している感じがヒシヒシと伝わり歴史と伝統を見せています。(絵師たちのコメントで過去作が言及されている事例もあるのですが、近年の作品が多くオッサンは絶望した・・・。MOON.やONEどころかKanonAIRCLANNADすらもほとんど触れられず・・・。麻枝准さんもシナリオ書いてませんし、樋上いたる先生は退社なさっていますしね・・・)
    • 「サマポケ劇場」は1コマ漫画です。最初見る前は、どこのメーカーでも取り組んでいる4コマ漫画か1P 漫画かしらん?と思ってクリックしたのですが、1コマ漫画でした・・・。いや1コマ漫画というよりはただのイラスト?
  • 「スタッフブログ」(不定期スタッフ日誌|Key Official HomePage)
    • 2018年2月21日から開始されています。不定期更新とありますが、ほぼ毎週水曜に更新されています。内容としては賛否両論ありそうです。スタッフの内輪ネタを楽しめるかどうかで評価が分れてきそう。シナリオ重視勢は、作品の魅力や内容について書いて欲しいとおもうでしょう。しかし実際には社内の内輪ネタになっていることが多いという現状です。ゲームはゲームとして楽しみたいという人は、開発スタッフがあまり前面に出てくるのはどうよ?と思ってしまうかもしれません。