講義メモ。コンテンツツーリズムの概要説明。
序論
- コンテンツツーリズムって知ってる?
- コンテンツツーリズムの特徴
- (1)二つのメディア化現象に着目したアプローチである。
- 【a】旅行目的地のメディア化(物理的な場所もメディアとして位置づけられるようになる)
- 【b】旅行体験・二次創作のメディア化(コンテンツツーリストの旅行体験や、コンテンツファンの二次創作物がコンテンツとなり、メディアを通して拡散し、別の人の旅行動機となる)
- (2)異なるメディアで流通するにあたり、その物語は再解釈、再編集、再構築がなされる
- (3)そしてこうしたプロセスは、従来のクリエイターと消費者(あるいはホスト&ゲスト)という枠組みではなく、あらゆる人がクリエイターとなりうる枠組みで捉える必要が生じている。
- (1)二つのメディア化現象に着目したアプローチである。
- 映画
- ロケ地巡り マーケットニーズ調査 ハリウッド映画がオタク化している
- アジア映画(香港映画) 1970年代 ブルースリー ジャッキーチェン この映画が字幕なしで見れるようになりたい→北京語を学ぶがジャッキーチェンは広東語だったので聞き取れなかった→ジャッキーの場所はどこだ?
- 中国人は韓国ドラマが大好き
- 聖地巡礼 俗っぽい用語 俳優の家を探して写真撮る
- 文学作品とツーリズムについて
- アニメ・映画・小説 ⇒メディアのフォーマット media format
- 観光研究 ロケ地を訪れる行為 anime/TV dorama/Cinema/film tourism
- メディアフォーマットごとに研究されてきたが、90年代からMedia mix が始まる。
- なぜ?90年代から?
- デジタル化⇔アナログ デジタルはゼロと1の組み合わせ アナログは物理的 メディアとかコンテンツという概念はない メディアと音楽は不可分 レコードの曲を車で聞く場合はカセットテープに録音する必要があった
- デジタル化するとメディアとコンテンツがわけられるようになった!!
- メディアとコンテンツが分かれていった これが90年代の出来事
- なぜ?90年代から?
- メディアミックス戦略!これを最初に経済的に成功させたのが角川であった。
- 映画と原作小説をコラボさせる
- コンテンツが移動されるようになった。
- 旅行動機
- コンテンツがどう観光地と結びついてくのか
コンテンツツーリズムにおける重要なフレイムワーク、用語など
- 地域イメージの創出
- 一度も行ったことのない場所になぜ行きたくなるのか!? 【結論】メディアを通してイメージがインプットされてイメージを消費しにいきたい!
- メディアとコンテンツ
- メディア=媒体 コンテンツ=メディアを通して流通消費されるテキスト・音声・動画などの情報内容。
- 例えばYoutubeはメディア、そこにアップされた動画はコンテンツ
- コンテンツとは何か
- 英語と意味あいが違う 日本では法律で定義されている コンテンツ法2条、2004年成立
- 「『コンテンツ』とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、その他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像、若しくはこれらを組み合わせたものであって、人間の創造的活動により生み出されたもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう。」(「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(コンテンツ法)」2条、2004年成立)
- メディアを通して提供(流通・消費)されるテキスト・音楽・動画などの情報内容。
- メディアミックスのみっつの側面
- (1)コンテンツは分解されて消費され得る content(s) tourism なぜ複数なのか?
- (2)コンテンツは異なるメディア間でマルチユースされる
- (3)prosumerの台頭とメディアへの取り込み 生産消費者 producer+consumer
- 1980年代 トフラー先生 情報が進んでいくと あらゆる人が情報を発信できる 生産者と消費者が分かれていることがなくなる 一人の人間が複数の役割を持つ。コンテンツを作るのはプロという認識であったがファンが作るようになっていく 同人誌即売会など
- 角川 KADOKAWA → 【ファン創造文化】をビジネス化しようとしている プロシューマー ファンのクリエイトを入れ込もうとしている カドカワ・ドワンゴ合併
- シュタインバーグも大塚も言ってないが・・・ 実はここに観光地も入る! 非常に重要 角川のメディアミックス戦略で場所を入れ込んだ! 作品を展開する 2006年涼宮ハルヒの憂鬱(ロケ地を埋め込み聖地巡礼を誘発)、2007年らき☆すた いずれも角川がやった コンテンツツーリズムがビジネスとして成り立つ
- ふたつのメディア化
- 場所のメディア化
- 旅行経験のメディア化
- 観光地に行く時にはどうするか? 作品の場面 PC画面でキャプチャしてもっていく 2006年第一次聖地巡礼ブーム起こる その時ファンはキャプチャーしてプリントアウト 現場でその作品をみると感じ方が全然違う 共有のされかたが全然違う
- ポピュラーカルチャー 国が定義している。 「『ポップカルチャーの文化外交による活用』に関する報告」
- 「一般市民による日常の活動で成立している文化」であり、「庶民が購い、生活の中で使いながら磨くことで成立した文化であって、これを通して日本人の感性や精神性など、等身大の日本を伝えることができる文化」。「文化外交への活用にあたっては、こうした『ポップカルチャー』の中で、特に新たな時代の流れを切り開く最先端の分野で、広く国民に受け入れられ、強い浸透性と等身大の日本を表す思想性を有するものを対象にすべきであり、具体的には、アニメ、マンガ、ゲーム、J-POPのほか、ファッションや食文化等の分野が対象になる」。(外務省のポップカルチャー専門部会「『ポップカルチャーの文化外交における活用』に関する報告」、2006)
- このあたりの面白さ
- 大きなきっかけになることもあった 2004・2005・2006が外交の大きな政策転換
- 日本は軍事外交に頼れない ソフトパワーに重点を置かねばならないというやむをない事情がある 様々な背景の力学がある。
- 国によるコンテンツツーリズムの定義も2005年から! 絶対この時期なんかある!!
- 日本政府
- 観光と関連産業の振興を図ることを意図したツーリズム
- 「追体験」の重要性 と「相互参照行為」
- 作品で体験した世界と現場を比較する 自分で確認する さらにメディアミックスが起こっているので 原作とアニメ化の相互参照の広がりを見せる。
- 来週までの宿題
- 札幌・小樽が舞台になっている作品を10作品調べてレポートを添付ファイルで送信
- 最終的に10個の中から2作品選んでプレゼン
- 食わず嫌いはせず様々な媒体の作品に触れる
- 札幌・小樽が舞台になっている作品を10作品調べてレポートを添付ファイルで送信
- 自治体がファンや作品を馬鹿にすると観光開発は失敗する
- 現場でコンテンツに関係しているアニメ雑誌編集長がくるらしい?
- 女性のやり手のフィールドワーカー
ゼロ年代中ごろに何があったのか!?
ゼロ年代以前 90年代の議論
- 直接的に影響を与えたのが ジョセフナインのソフトパワー論
- 日本政府 90年代から2000年代 GNCという概念 グロースナショナルクール
- 「クール」 日本のクールさ ブランド力 もっとソフトの部分で相手の国の経済を見ていくという議論
- 90年代の議論が影響を与える クールジャパン政策の芽生え(クールジャパン政策そのものは2010年代以降)
【チラシが配布された】コンテンツツーリズムを研究する学会のお知らせ
- 間野山研究学会 第1回研究会 2018年10月27・28日 https://manoyama.jimdofree.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/
- 町おこしがテーマのアニメ『サクラクエスト』から観光や地域振興を考えるとのこと。