雑録

コンテンツ・ツーリズム論演習(002)「ポップカルチャー/ポピュラーカルチャー」と「コンテンツツーリズム」

講義のメモ。

前回の復習

  • コンテンツツーリズム 
    • 新しい概念 2005年に日本の政府が提唱 地域の観光振興のために創った概念 日本独自
  • 参考文献
    • Contents Tourism in Japan
      • 日本の47都道府県の写真・事例を入れ込む。参考文献リストを充実させた。

ポップカルチャー」と「コンテンツツーリズム」

  • 製作上の要素/クリエイティブエレメンツについて 
    • 人間が生み出した「物語世界」がテーマになっている。
      • 場合によっては著作物 人によってクリエイトされた要素
  • 重要なポイント
    • 場所の特性ではなく 「旅行者の動機付け」 
    • 偶々、ここって○○の作品の舞台なんだ!ということがよくある。これを「インシデンタルツーリズム」という。「たまたま」そういう旅行になってしまった!
    • 本来は京都に寺を見に行ったが、現場に行って映画のロケ地であることを知る! 近年、こういう機会が増えている!
  • インシデンタルツーリズムの具体的事例
    • 具体的事例 → 『ラストサムライ』 姫路にある圓教寺の寺を訪れる →コンテンツツーリズムになる
    • 圓教寺を建築・宗教で訪れるヒトもいる ヘリテイドツーリズム 同じ場所でも違う目的
    • ラストサムライ』はニュージランド撮影されている
      • 物語世界とロケ地が違う → そういう場合はどう解釈するのか?フィルムツーリズムのテーマ
  • 「観光のまなざし」
    • ジョン・アーリの概念
      • ラストサムライ』を見たコンテンツ旅行者はトム・クルーズが演じるオールグレンと渡辺謙が演じる勝元が会話を交わしら廊下を見るのに対して、ほかの旅行者は1000年を超す歴史を持つ伽藍群の建物を見る。
  • コンテンツツーリズムにおける「ポップ」カルチャーの境界線
    • 1.メディア化されている。
      • メディア化されていないものはポピュラーカルチャーに含まれない 例:料理など
    • 2.娯楽、教養として作られたもの
      • メディアツーリズムとの違いは!? → コンテンツツーリズムの方が幅が狭い メディアツーリズムには広告・ガイドブック・ニュースメディアなどを含める。 ツーリストを呼び込むためのダイレクトなものではない。
    • 3.ポピュラーカルチャーは「一般大衆」の文化。
      • ハイでもローでもない。政府の仕事ではない。生活の中での消費。
  • 【まとめ】
    • <物語世界>にアクセスしたいので旅行をする。ナラティブワールド
    • ツーリスト・イマジナリー/ツーリズム・イマジナリー →「ツーリズムを通じて特定の場所と結び付き、そこで演じられる、価値観を伴い感情をかきたてる集合的な物語の構造」
  • コンテンツツーリズムのコンテンツはアニメや漫画だけではない!!
    • ツーリズムの目的地を売りこむことは、すなわち、場所そのものではなく「場所の物語」を売る取り組み
    • 漫画やアニメだけでなく、俳句とかもそうだよ。松尾芭蕉とか。
  • 「物語を売る取り組み」
    • →日本遺産 歴史資源を売り出そうとしている 遺産を巡る物語を売り出すことをアピール
      • 事例;岐阜県 → 織田信長に関するストーリーを売り出そうとしている。手法としてはコンテンツツーリズム。歴史がモチーフ

教授のお言葉

  • なぜ作品はフィクションなのに、映像化する時にはリアルの風景を使うのか!?
    • 現実の風景ではない事例 → スターウォーズとか。他の作品も舞台は全部フィクションでいいはず。
    • コンテンツツーリズムでは舞台となった場所に行くが、そこは現実に存在する場所である。なぜそこを特定できるかというと、多くの場合はロケハンをしているから。ロケーションがその作品にぴったりの撮影場所を探している。
    • 物語世界には「原作・脚本」がある。歴史物語でない限り、舞台はない。それを「誰か」が決める。空想の物語にしようとすればいくらでもできる。それもいいが、なぜか現実と結びつく舞台地がある
    • コンテンツは人間が生み出したもの。リアルなものと結びつかなくても良いはず、それなのになぜ特定の街を舞台に設定するのか。
    • アニメを作るのにロケハンをする。たとえその作品の場所がリアルな場所でなくても、モデルとされる土地があるのはなぜなのだろうか? 観光地として呼びこみたいために作品の舞台としたのでは決してない。じゃあなぜなんだ?
  • コンテンツツーリストが重視すること
    • 「作品の追体験」を重要視する!
  • ゴールデンカムイ』について
    • 1)報告者Aが『ゴールデンカムイ』におけるアイヌ文化の普及性に関する素晴らしさついて主張。
    • 2)それに対し、質問者は「脳みそ食ってみろ/ヒンナヒンナ/ウコチャヌプコロなど、ゴルカムを見ることでアイヌに対する偏向的なイメージが視聴者に植え付けられるのでは?」という質疑
    • 3)それに対して教授がフォロー。なんとゴルカムはアイヌ自身に対するウケがものすごく良いとのこと。これまで多くの作品でアイヌが題材とされたが、ゴルカムほどアイヌに対して真摯に向き合った作品はないという。


  • 動物のお医者さん』について
    • 名作。北大生の必履修科目。北大に入ると他の観光地ばかりに目が向きがちで、北大校内をじっくりと歩く機会はなかなかないとのこと。そのため『動物のお医者さん』を通して大学構内を巡るのは非常によろしいらしい。
  • 料理と物語性とコンテンツツーリズムについて
    • 1)質問者「教授は先ほど料理そのものを扱うグルメブックやお料理本はコンテンツツーリズムにはならないとおっしゃいました。しかし、料理を題材にしたものはコンテンツツーリズムに含まれるのでしょうか。その差異性はどこから生じるのでしょうか?」
    • 2)教授「グルメブックやお料理本には物語性がない。物語性があるかどうかだ。」
    • 3)質問者「では『この社会主義グルメがすごい』という薄い本についてなのですが、中身はソ連東ドイツなどの社会主義料理の作り方をグルメブックなのですが、料理紹介の前に導入としてトロイカちゃんの漫画掲載されているのですが、これはコンテンツツーリズムに含まれますか?」
    • 4)教授「物語性があるので含まれる。」
    • 社会主義グルメシリーズはこちら!

宿題

  • ツアーコース案内のプレゼンの準備をせよ!!(10/16にラフなアイディアを発表する) 
    • 取り上げる作品
    • ゆかりの地(場所)/聖地
    • 作品に関するエピソード等、最も知ってほしい事柄
    • 実際に歩く際場合のスポット、ルートなど
    • ツアー実施が望ましい時期(雪、開館時期などなど)
    • 参加者に事前に目を通しておいてほしい参考文献・資料など。
  • プレゼンをする際の諸注意
    • 聴衆が、その作品を読みたい・観たい、その場所へ行ってみたい、と思わせるプレゼンとする。
    • メンバー各自の最終課題を考え、それぞれのメンバーが1作品ずつ持ち寄り、複数作品をめぐるコースを設定するのも効率的
    • 日程の再検討:雪に対する配慮

教授からの宣伝【チラシが配布される】

  • 教授、アニ玉祭(10/14)の『ヤマノススメ』イベントでしろ先生と一緒にトークショーをするとのこと。
    • テーマは「原作をメディアミックス展開する時に生じる問題点」について。『ヤマノススメ』はしろ先生が原作者で漫画を描いておられるのですが、アニメとキャラデザが全然異なります。しろ先生ファンはビックリしたほど、しろ先生の原作とアニメでは、作品そのものの雰囲気が全然異なるのです。アニメの監督は登山にすごく思い入れがあり、ロケハンなどを熱心にやっているとのこと。それ故、原作とアニメで差異性が生じ、メディアミックス展開をする上での問題点が浮き彫りとなるとのことでした。実際、しろ先生ご本人は原作改編をどのように思ってらっしゃるのでしょうね?とても気になります。アニ玉祭りのトークショーではしろ先生とアニメ監督と教授が、この問題について熱く議論するとのことです。カントー地方の方は是非確かめてみてください。
    • 余談ですが、しろ先生と言えば『シンフォニック=レイン』や『夏めろ』のキャラデザと原画をやっておられた、あのしろ先生です!!。嗚呼何もかも懐かしい・・・