今回の要旨はコンテンツとコンテクスト。
導入として、『赤毛のアン』というコンテンツにおいて、美術監督である井岡雅宏に着目すると、札幌農学校第二農場モデルバーンがコンテンツツーリズムの資源となり、19世紀の北米文化というコンテクストを味わうことができる、という事例が紹介される。これを踏まえ、コンテンツをきっかけにより深いコンテクストを知ることができるように、チーム分けしてコースを組め、とのことであった。
札幌農学校第二農場モデルバーンとコンテンツツーリズム『赤毛のアン』
- 美術監督井岡雅宏と北海道大学
- アニメにおけるロケハン文化の先駆けとなったのが宮崎駿や高畑勲。その作品が『アルプスの少女ハイジ』や『赤毛のアン』。しかし宮崎や高畑の調査に美術監督の井岡は参加しなかった。ではなぜ井岡は美術監督してイメージボードなどを作成することができたのか。その秘密は北大にあり、井岡は高校時代の時から札幌農学校第二農場で絵を描いていたのだとか。『赤毛のアン』のプリンスエドワード島は実は札幌のイメージ。『赤毛のアン』は19世紀カナダが舞台だが、札幌農学校第二農場モデルバーンも19世紀アメリカ、両者ともに19世紀の北米大陸の建築様式という文化が背景にあった。よって井岡雅宏に注目すると、北大の札幌農学校第二農場モデルバーンは『赤毛のアン』のコンテンツツーリズムになる。
チーム分けとコースの検討
- チーム分け
- 前回のコンテンツ・ツーリズム論演習で講義中に行ける巡検場所をプレゼンした15人の受講生たち。今回はその15人を4チーム(班員の数にばらつきがあっても良い)に分けることとなった。各自が出した案から共通性を見つけて体系化する作業である。どうすれば良いかと話を振られてしまったのでブレインストーミングと言わんばかりに案を述べたら、以下のように分けられた。①アイヌ、②H大周辺、③winter、④アイドルである。
- コース決め
実写とアニメはどちらが人を旅に出させるか?
- 答え:アニメ 理由:虚構性
- 実写とアニメはどちらがより人の移動を促す動機付けとなるのか?という議論が長く続いているが、その答えはアニメだとのこと。教授曰くその理由はアニメーションの虚構性。写真にはないイマジネーションが入り込む余地がある。