雑録

日本近現代社会経済史資料(005)「日本近現代農民史の資料」(※第4回は中止となった)

(1)県庁文書 宮城県庁の例

  • (1)-1.教授の史料調査
    • 1983年の体験 『小作調停』と題した簿冊 1930年から1939年まで毎年分保存される
    • 宮城県庁の総務部総務課文書管理係を訪問 
      • 『小作調停』とは、小作調停法(1924年)が出来て、それにより小作争議が調停される。
      • 【?】なぜ 小作調停法(1924) 『小作調停』(1930〜39) 6年間は何をやっていたのか? → 東北地方は適用が遅い。
  • (1)-2.研究での活用事例
    • 宮城県の場合『小作調停』各年により1506件の小作争議の内容。
      • Aタイプ 小作人が地主に対して小作料減額を求める争議 地主一人に対して小作人複数人(例えば50人など)の戦い 宮城県では12件/1506件
      • Bタイプ 地主が小作人に対して土地返還を求める争議 地主一人に対して小作人一人の戦い 宮城県では1472件/1506件 宮城県ではほぼBタイプ
      • 【?】この当時に小作争議に対処しなければならなかった理由は?いわゆる1920年代不況?
      • 【?】なぜ集団でのAタイプはすくないのか?
    • 滋賀県の場合
    • なぜ宮城県滋賀県では違いがあるのか?
      • 東北農村型は土地争議が多く、近畿型農村小作料減額争議に特徴がある。
      • 東北と近畿は農村の仕組みが違っている。日本史の中での小作争議という言葉を使うと、近畿型のイメージとして扱われる。東北型では農民運動に見えなくて、個人間の争いのように思われていた。1930年代には農民運動が衰退するけれども小作争議は増えている。
      • 【?】結局、東北型農村と近畿型農村の違いというのは何か? → 近畿型は進んでいて、東北型は遅れていたから、近畿型で小作争議が盛んだった。
      • 【?】滋賀県の『小作調停』?は何年から何年までなの? → 残った部分を集計した部分
    • 県庁文書を使うと、県の比較が可能となる。

(2)町村役場文書

  • (2)-1.行政村と自然村
    • 市制・町村制(1888公布、1889施行)の結果、江戸時代以来の村が統合される。その結果できたものを「行政村」、合併されて消滅した村を「自然村」と呼ぶ。
      • しかしこの分け方には近世史の研究者は反発。近世の村、江戸時代の村は自然には作られていない。江戸時代の村も、幕藩体制の行政機構により作られている。故に、近世の村は「自然」では成り立たないので、近世の研究者は反発する。
    • 具体的事例:兵庫県黒田庄町
      • 江戸時代の村々が一つの町に合併する様子が教授から説明される。 → その場合、黒田庄の役場に行くと同時に、江戸時代の村のエリアに史料を探しに行く。公民館など。
  • (2)-2.役場文書の代表『事務報告』
    • 町村議会の場で一年間の村の実情を数字をもとに説明する。永久保存。役場が残っている場合は必ず残っている。その年の村の様子が全て分かる。
    • 資料3「『事務報告』東浦村、農業」
      • 府県文書では残っていない資料が、役場文書には残っている。
    • 資料4『事務報告』東浦村、出寄留、職業
    • 資料5『事務報告』東浦村、時代の変化にも敏感。第一次世界大戦後の1922年の『村是実行成績報告書』
    • 兵事について
      • 1945年の終戦時に兵事関係資料を焼却処分しているが、『事務報告』のなかに、兵事に関する記述が残されている。→徴兵制度をある程度復元できる!!
  • (2)-3.所得調査簿-五加村の例-
    • 役場文書には地方税の戸数割を徴収するために作成された『戸数割等級表』が残されてる。五加村では、その根拠資料として所得調査簿が作成、保存されていた。
    • 資料7
      • 五加村の所得調査簿(珍しい・レア!) → 所有・経営規模や所得額のみを基準とするのではなく、農家経営の再生産の相違を基準にして階層区分が可能な貴重な資料

(3)区有文書

  • 1888・89年の市制・町村制による「行政村」誕生の際に統合された旧村にある文書。
    • 大字=部落=区などは統合された後も続く。公民館もあるし区長などもいる。部落という言葉をもって被差別部落問題を指す場合があるが、部落≠被差別部落。江戸時代の村を指して部落という。
    • 具体的に農村の農作物で何を栽培しているかを決めている。
  • 予備説明 土地の単位について
    • 畝(セ) 10畝=1反=10アール

(4)家文書(私文書)

  • 家文書の種類
    • 庄屋文書、地主文書、農家文書
  • 北海道と本州の違い
    • 庄屋文書は北海道にない。
  • 青果物の個人出荷(山田季雄家)
  • まとめ
    • 要は地方の歴史を調べる場合の資料の使い方でしたよってこと。