日本人の満洲国認識形成とコンテンツ・コロニアルツーリズム

【概念図】研究の方針とか
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  • 満洲国コンテンツの生産
    • 1931年の満洲事変を契機に、翌1932年には満洲国が成立した。傀儡国家でもある満洲国に実態を持たせるため、その正当化が図られ、満洲認識を広めるために日本では様々な満洲国コンテンツが生産された。小説・紀行文・旅行雑誌(『旅行満洲』→『観光東亜』)、『満洲グラフ』、各種観光案内、新聞報道、映画、ラジオなどなど。これらのコンテンツにおいて、満洲国はどのような役割・存在・機能として提示されているか?
  • 満洲国現地サイドの意図
    • 満洲国成立後、その認識を深めるための旅行行動が推奨された。その際、現地側は旅行者に対して満洲国の様相を見せるために様々な斡旋を行った。その際、旅行者に対して何を伝えようとしたのか、また何をウリにしようとしたのか。
    • 実際に、満洲国を訪れた旅行者は、現地サイドの意図通りに、観光資源を消費したのか?
  • 旅行行動と満洲国認識の深化
    • 旅行行動によって満洲国に対する認識はどのように深められたのか/深められなかったのか。具体的には旅行記や紀行文、報告書などを通して、旅行行動がもたらした影響について分析する。
  • 旅行者の問題意識と解決への提言
    • 旅行者は満洲国を見て様々な問題意識を持ち、解決への提言を行っている。資源開発と工業化、移民と満洲農業問題、日ソ関係・対ソ防衛、日満不可分一体などである。このような旅行者の提言に対し、企業経営や日本の対満政策にどの程度フィードバックされたのか/されなかったのか。