【発売前予想】2019年12月発売 新作ノベルゲームの趨勢について【下馬評】

年末が差し迫っており、今日(12/17・火)含めて後3日で、12月の新作の発売日となります。10月、11月と特にやりたいものが無かったので、新作購入を控えていたのですが、12月は違います。クラウドファンディング1億円の『MUSICS!』とメーカーそのものが異彩を放つゆずソフトの新作がでますのでこの2本は必ずプレイするつもりです。たぶん先にゆずソフトの新作『喫茶ステラ』を崩してから、じっくりと『MUSICS!』取り掛かることになるでしょう。あと夜のひつじのぽろり先生が冬コミで新作を出してくださるので、それもプレイします。労働と研究に支障が出ない範囲内で・・・。それでは12月の新作を紹介していきます。

【お品書き】

『MUSICUS!』

面白い作品を世に送り出し続け、評価も高かったにも関わらず、資金面で打撃を受け経済的事情で燻ぶっていた著名なライターがクラウドファンディングで復活!体験版においても「美とは何か」という根源的な問いを音楽で表現。音楽はその場のノリだけであり、人の心を動かすことは無いのではないかと自問自答する花井是清が自分の人生の意義を見出し、それを主人公くんに委ね、自殺していくという展開は圧巻ですね。最後に音楽を託された主人公くんと花井是清の妹ミカちゃんが、葬式中に遺体の前で曲を披露するというのも何たるロックではありませんか!エロゲ産業は衰退し滅亡寸前とか言われまくっていますが令和の時代になってもこんな大作がプレイできるなんて嬉しい限り。これは産業の衰退ではなく、爛熟とか洗練って言葉で表現したいものです。



 

『喫茶ステラと死神の蝶』

ゲームの内容は兎に角メーカーがセルフプロデュースに成功し、コンテンツ「ゆずソフト」を現出するのに成功した事例。メーカーに一定の信者が存在しており、ギリギリのパロを用いた販促と、固定の絵師2人&SD原画のこもわたさんがウリとなっています。一方、ゆずソフトに足りないのはシナリオだけ・・・と散々言われ続けてきましたが、本作『喫茶ステラと死神の蝶』ではライター陣を強化。ゆずソフトの前身TEAM-EXODUSから固定である天宮りつ先生に加えて、瀬尾順とかずきふみを投入しています。体験版の時点ではクール系ぽんこつ四季ナツメさんと、退職精神崩壊ドロップアウト組の涼音さんが大変素晴らしく描かれており、キャラゲーとしてはグッとくる内容となっています。前作のリドルジョーカーはキャラゲーとしても微妙であり、とてつもなく面倒くさいヒロインを生み出し、ライターまでめんどくさい女と作中でヒロインに言わしめるほどであったので今回はどんなシナリオが爆誕するのかネタ的な意味でも楽しみです。



 

『あにまる☆ぱにっく』

比較的早いうちにマスターアップしていたものの、『MUSICS!』とゆずソフトの新作と競わねばならなくなった作品。ケモ耳に変身する魔法少女モノでありキャラゲーであり、絵の可愛さで勝負するスタンス。シナリオの内容としては所謂「集め物」で願望具現化装置の欠片を集めていくというノリ。テーマそのものは語り尽くされてしまっているので、魔法少女の変身とキャラの可愛さだけでどこまで戦えるかが注目ポイントとなっています。特にキャラたちは古式ゆかしいトラウマ解決モノとしての属性が背負わされているため、彼女らがどのように解放されるかをきちんと描ければ良いなと思っています。



 

『孕女 ~精子を欲しがる淫らな教え子~』

抜きゲー枠。人の良い教員が夏休みにホイホイと生徒の田舎に行った結果、種馬にされてしまったというノリ。抜きゲーなのでシナリオなどあって無いようなものなのですが、体験版はさすがにワンパターン過ぎ。酒にヤクを盛られた教員が前後不覚になり夜這いを受け、それを毎晩違うヒロインで4回繰り返すという流れ。さすがにシチュが一緒過ぎやんとか思わざるを得ませんでした。4人と肉体関係をもったあと、教員は夢ではないとようやく気付き、少女たちの祖母から説明を受けます。なんでも当主が60になるまでに世継ぎが出来ないといけないのだとかなんとか。主人公くんは既にターゲットにされており穏便に種馬となれば身分や地位が保障されるが逃げ出せば監禁されると脅され、種馬生活が始まるのでした。



 

ピンヒロインもの作品群

アイコトバ

原画師のおりょうさんがウリ。東日本大震災で生き別れになった妹との近親相姦モノ。ネットで知り合った女性と仲良くなり出張の際にオフ会したら妹でしたというオチ。妹がグイグイくるのもポイント高くて、兄妹愛が異性への愛に変わっていきます。しかし、倫理観から結ばれずに体験版は終了。関係性も断ち切られることになります。本作の見所はここからであり、一度断ち切られてしまった絆をどのように再生するのかということがテーマとなっているのです。そして、二人の近親相姦を描くだけでなく両親もまた問題となっています。両親とは死別しているのですが、その両親も親戚から疎んじられていたのです。そう考えると、両親たちも近親相姦をして結ばれたのではないか?と邪推できるわけでして、そう考えると二重の近親相姦という凄まじい展開になりそうです。原画については、おりょうさんがウリになっているわけですが、塗りで誤魔化してはいるものの、おりょうさんのキャラって顔全部一緒なんですよね。



 

『SugarKiss!(シュガーキス)』

流行りの作品をパロって取り入れていく粗製濫造品のうちの一つ。どこかで見たことがあるような絵と展開かと思っていたらtwitter漫画のパロやんけ!テーマとなるのは喫煙室ラブであり煙草がフラグ構築に重要な役割を果たすことになります。社会人の恋愛を扱っていますが、その社会人生活というのが昭和のイメージをぬぐい切れていません。居酒屋と喫煙所で大人な関係を提示しようとしていますが、令和の時代になって居酒屋と喫煙所ってのも。いや、寧ろそれを逆手にとってこそのノスタルジックが逆に受けるのかもしれません。そんなわけで体験版では、煙草どうしをくっつけて火を移す「煙草ちゅっちゅ」で幕を閉じるのですが、ここからどのように話を転がせるのかがライターの腕の見せ所となっているかと思います。




 

『自爆カノジョ』

『からかい上手』のパロ。もしからかっている少女が内心は照れ屋で自室では悶えているとしたら?をテーマにしています。所謂ギャップ萌えパターン。からかい少女は主人公くんを手玉にとって、主人公くんはぐぬぬぬをするパターンなのですが、主人公くんの反応を見て実は身悶えるヒロインのギャップを視聴者側は第三者の視点で楽しむことができるという作風です。最近のSNS漫画では、もう既に二人の関係性が確定しており、付き合う一歩手前の男女がその関係性を楽しみ、周囲がはよ付き合えやとか結婚しろとかいうパターンが人気を博して居りますが、そんなノリです。