青春フラジャイル 体験版の感想・レビュー

魔法使いの末裔たちが地元温泉街に蔓延る「悪しき魔法」に挑む話。
「1年前の悲劇」と「わるいまほうつかい」の迷信が重要な伏線。
しかし体験版における日常パートや迷信関係の事件が少々ダルすぎる。
「1年前の悲劇」の要素のお陰で、かろうじて読み進められるレベル。
「わるいまほうつかい」が関わる過去編を如何に深められるかが勝負。
今のところ期待できそうなのは過去を扱うことが確実なせつな√くらい?

日常パートのダルさはシリアス編の「溜め」だと信じたい

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  • 「1年前の悲劇」次第で製品版の面白さが変わるかと
    • 【1】主人公の一族は明治近代において温泉街に土着したイギリス魔法使いの末裔です。主人公自身は魔法の教育を受けておらず使える能力は微々たるもの。しかしそんな主人公の下へ、祖先を同じくする本家の人間が、魔法を教える師匠となると称してやってきます。この魔女っ子ヒロインの登場により主人公の日常は大きく変化していく・・・かに見えました。しかし、ここからの日常パートが長い!長すぎる!!十万石饅頭。シナリオが動き出すまでにどんだけかかってんねんって感じです。攻略ヒロインとしては主人公の民宿の商売敵であった高級ホテルのツンデレ娘、主人公の家系に代々仕えるメイドの娘、「1年前の悲劇」をきっかけにストーカーになった少女、そしてイギリスから主人公の師匠になりにきた魔女っ娘の4人が用意されています。キャラ的に一番可愛いのはメイド。1年前に潰れてしまった民宿をもう一度再興し主人公と共に営みたいと切実に願っていて健気や。
    • 【2】一応面白かった要素だけ抽出すると、(1)主人公の家は民宿を営んでいたものの1年前に経営破綻し両親は出稼ぎに出ていて不在であること、(2)経営破綻の原因には「1年前の悲劇」が大きく関わっていること、(3)その悲劇のもともとの発生要因には「わるいまほうつかい」の迷信が蔓延っていること、の3点でしょうか?これらの要素がチラホラと散りばめられているので、退屈な日常パートでも何とか読み進められる原動力となっています。特に主人公のストーカーと化しているせつなさんが、1年前には夜のゲーセンにたむろする行き場のないガールであったことや主人公が秘匿しているはずの魔法使いの秘密をなぜか知っていることは、キャラクター造形を深めるものとなっており、ちょっとせつな√は気になります。
    • 【3】体験版における大きなイベントは、魔女っ娘に対する魔力干渉。「わるいまほうつかい」の迷信を払拭するため魔女っ娘(リズ)・ストーカー(せつな)・主人公の3人は捜査を開始するのですが、魔女っ娘が空間転位を使った際に魔力干渉が起こるのです。普通だったら魔力源がある地域には複数の家系の魔法使いが存在するのに、この地域に主人公の家系以外魔法使いがいないのは変だ、きっと第三者の魔法使いが存在していて魔力干渉を行ったのだ!と新たな目標が提示されて体験版はお開きとなります。しっかし、この「わるいまほうつかい」の捜査も、「本を探して無いと思っていたら実は鞄の中にありました」とかういう茶番的なオチで終わります。率直に言って体験版の時点ではすっごくテンポ悪くてダレています。きっと、このダルさは製品版の為の「溜め」なのだと信じたいです。


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