戦後ラテンアメリカ史

(1)戦後のラテン=アメリ

  • アメリカの強い指導
    • a)リオ協定(米州共同防衛条約)…1947年9月。リオデジャネイロで結ばれたアメリカ主導による南北アメリカ大陸の集団的防衛条約。反共陣営の強化および革命運動対策を目指した。
    • b)米州機構(OAS)…1948年4月。第9回パン=アメリカ会議のボゴタ憲章で成立した米州21カ国の協力組織。米州共同体の基礎となった。反共協力組織であり合衆国の主導の下で、国際共産主義封じ込め機構としての役割を果たし、南米の革命政権や革命運動に集団制裁を加えた。
  • アメリカに制裁された事例 グアテマラのアルベンス政権(任1950~54)
    • 左派的政策…社会経済改革を進めるため農地改革に着手し、米国ユナイテッド=フルーツ社のバナナ農園を接収。
    • 合衆国の対応…社会民主主義的であったアルベンス政権をダレス国務長官共産主義と非難し、54年に米州機構に反共決議を行わせ合衆国に追随させる。
    • 合衆国の介入…54年にCIAの訓練を受けた亡命グアテマラ人からなる反革命軍を隣国のホンジュラスから侵攻させてアルベンス政権を打倒させる。
    • ラテンアメリカにおける土地改革や民主改革を求める運動は、たとえ国際共産主義と直接的な関係を持たない場合でも合衆国の反共封じ込め路線の介入を受けた。

(2)キューバ革命

  • ②影響
    • 武装ゲリラ闘争
      • キューバ革命は低開発や従属から脱却しようとするラテン=アメリカ、カリブ海地域に転機をもたらし、各地で武装ゲリラ闘争が展開される。
    • 進歩のための同盟
      • →従来の軍事援助中心主義を改め、経済援助をてこに農地改革と税制改革を進めることによって、資本主義的近代化をはかり、あわせて民主的な中道勢力を育成しようとするもの。
      • アメリカ外交の矛盾;社会主義化を防止するには軍事介入に頼らざるを得ない事。

(3)ラテンアメリカ地域史

①チリ

  • 1970-73 アジェンデ政権
    • 史上初の選挙による社会主義政権の樹立に成功。議会主義下で社会主義の実現を目指した世界初の政府。最低賃金の引き上げによる国民所得の拡大と福祉の充実、アメリカ系銅山企業の国有化、農地改革の完全実施などの政策をおこなった。
  • 1973 チリ軍部クーデタ(1973)
    • アジェンデ社会主義政権を倒すために、アメリカから支援を受けて軍部がクーデタを起こす。アジェンデは死亡し、ピノチェト軍事政権が成立した。
  • 1974-90 ピノチェト政権
    • アメリカの支援により成立したチリ軍部独裁。反対派の人々を大規模虐殺するなど人権侵害を続け、恐怖政治を行った。1988年の国民投票でやぶれ、その後引退。
  • 1990 チリ民政移行

②アルゼンチン

  • 1946-55 ペロン政権
    • 賃上げや労組保護政策などで労働者からの支持を固めつつ、反米ナショナリズムの立場から外資系企業の国有化や民族資本家の育成を進めた。
  • 1955-73 軍事政権
  • 1973-76 ペロン復権(1973-74)&ペロン夫人政権(1974-76)
    • 73年にペロンが復帰するが74年死亡。ペロン夫人が政権を継承したが軍事政権に倒された。
  • 1983 民政移行…フォークランド戦争に敗れた軍事政権は威信を失墜させ崩壊。民政に移行した。

ニカラグア

  • 1936-79 ソモサ父子の独裁

④メキシコ

⑤ブラジル

  • 1930年に中間層の支持を受け大統領になったヴァルガスが独裁体制を敷く。労働者保護と民主主義政策を推進し第二次世界大戦では連合国として参戦。戦後、民主化の気運で失脚するが、50年に大統領に返り咲いた(54年自殺)。64年以後、五人の軍人