2.農業技術の革新と農村共同体の形成
(1)農業の発達
(2)農業社会の変化
- ①開放耕地制…重量有輪犂は方向転換が難しく、広い耕地が必要だったので、農民保有地の垣根は取り払われ、耕地は細長い地条となった。
- ②集村化と農村共同体の形成←重量有輪犂やそれを引く牛馬の購入・維持は個人では難しく共同作業が行われため。
- ③教会の装置…ミサや冠婚葬祭を行うことが共同体の結束を高める。
3.遠隔地商業圏の成立
(1)中世都市の誕生
- ②11世紀、農業生産力の発展(余剰の増大)を基盤に、ムスリム商人やノルマン人の商業活動に刺激されて定期市から都市が成立。
- 市
- 市の開催…農業生産力の向上による余剰生産物の交換の場。司教の所在地や城館の周辺で開かれる。
- 市に定住…11世紀以降、遠隔地商業が成立し交易量が増大したことから。→中世都市の誕生。広域的な貨幣経済の成立。
- 市
- ③商業の復活…ベルギーの歴史家ピレンヌの学説。イスラーム勢力の進出により衰えていた商業活動が11世紀~12世紀に再興隆したことを指す。
4.中世都市の発展
(1)中世都市の成長
(2)都市同盟
都市同盟は中世諸都市が商業上の利益や特権を守るために結成した連合組織。中央主権が弱体なドイツやイタリアにおいて皇帝や封建領主に対抗する目的で成立した。
(3)ギルド
ギルドとは11世紀以降、中世都市で結成された利益を同じくする商工業者の組合。相互の利益を守るため、自由競争を認めず、厳しい規制のもとで市場を独占した。
- ①商人ギルド
- 商業利益や商人相互扶助を目的として、主に遠隔地貿易に従事した大商人からなるギルド。各都市における自治権獲得の中心となり、その後は市政を掌握した。
- ②ツンフト(同職ギルド)
- 手工業者の親方たちによる同業組合。都市内の職人を組織化して商人ギルドに対抗した。構成員は経営者である親方・職人・徒弟の三つの階級に分かれ、厳格な徒弟制が敷かれた。
- ③ツンフト闘争
- 13世紀以降、同職ギルドの親方たちが、市政への参加を求めた争い。市政を独占していた大商人に対して結束してたたかい、多くの都市で一定の勝利を勝ち取った。