我が姫君に栄冠を 天魔族ルート「クロネ」シナリオの感想・レビュー

神々を再臨させるため神聖国王の怨霊により大陸を滅亡させようとする敵の野望を阻止する話。
天魔族の執事は「影の神」であり「書物の神」への愛から神話復興を図った。
帝国の宰相は国家統一の際に謀略で殺された神聖国の末裔でありその復讐を試みる。
天魔族の執事と帝国の宰相は手を組み神聖国王を復活させ怨霊軍を構築するのだ。
大陸の危機に帝国・連邦・天魔が手を組み総力戦を決行する大河はまさに圧巻!
事実上のグランドルートで無数の人物たちが活躍して敵を討つムネアツな展開となる。
(しかしキャラ多すぎて散漫になりがちでヒロイン:クロエもその中の一人扱いである)

グランドルート 大陸滅亡の危機にライバルたちが手を組み共闘する!

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  • 主人公はクロネの義弟でありクロネはブラコンであったので最初から好感度マックス
    • クロネの実父(バルデロ)と実母(レメディオス)は才能限界を迎えた天魔族であり子孫を残すことで強さを追求しようとします。この目論見は成功し、娘のクロエは見事魔界トーナメントで優勝し天魔族の王となるのです。クロエの両親はお互いを子孫を残す手段として利用したのですが、母レメディオスは父バルデロにゾッコンになっていました。しかしレメディオスツンデレであったので決してその好意を表に出そうとしませんでした。一方バルデロは人間族の子持ちの女を愛するようになっていきます。この人間族の子どもこそが主人公だったのです。結局バルデロはかたき討ちに遭い死ぬのですが、バルデロを討った人間ピガロに主人公を託します。こうしてピガロは主人公の師匠かつ養父となり、一人前の男として鍛え上げたのです。そして天魔のクロエですが生前のバルデロにより主人公のことを聞かされて姉ぢからに目覚め、見たこともない義弟ことを想い続けてブラコンに成長したのでした。主人公が魔界を訪れ上記の事情を知ると主人公を義弟として認め、徹底的に甘やかします最初から好感度マックス。クロエの信頼を勝ち得た主人公は、帝国・連邦との鼎談も成功させ、三国間で和平が結ばれ、異種族間交流が始まったのです。

 
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  • 神話復興を目指す魔界の宰相と帝国の撲滅を願う神聖国の末裔が大陸を滅ぼすそうです
    • 三国の和平がなってめでたしめでたしでは物語が締まらないので実質グランドルートに突入です。世界観と登場人物たちの設定が次々に回収されていきます。それらの背景は確かに面白いのですが、キャラ多すぎて散漫になりがちなのも確か。まぁこれはライターの腕というより大河モノの宿命やね。
    • そんなわけで魔界の宰相エンドゲームがラスボスとして立ちはだかります。エンドゲームは神話時代から存在する「影の神」であり、その目的は神話復興。連邦ルートでチラチラでていた黄金楽土の建設がこれに当ります。エンドゲームは「書物の神」に惚れており、その歪んだ愛情により、大陸に神々を再臨させようとしていたのです。そんなエンドゲームと手を組むことになるのが、神聖国の末裔ベクターウィローベクターは帝国に潜り込み宰相の地位にまでなっておりました。帝国の正史では七王国統一の際に神聖国と和平を結んだ直後に天魔族により神聖国王が殺されたので神聖国を吸収したと語られてきました。しかし実のところは神聖国王は暗殺されて帝国に併合されたのであり、夕方が逢魔が時となるのは神聖国王の怨霊が原因だったという設定です。こうしてエンドゲームとベクターは共通の目的から手を組み、帝国の殲滅、ひいては大陸全土の滅亡を図ったのです。その方法として使われたのが、神聖国王の復活による怨霊軍の構築。帝国に強い恨みを持つ神聖国王は死者たちを率いて襲い掛かってくるのです。この怨霊軍に対し、帝国・連邦・魔界で一致団結して戦うところがグランドエンドの最大の見どころとなっています。

 
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  • ミンジャラエンド
    • 主人公はシナリオの序盤で人造神と憑依合体して最強チートになれる異能を手にしますが、この人造神は神聖国王の魂魄により作られたものであったことが判明します。すなわち神聖国王を倒してしまえば人造神も消えてしまうのです。この人造神、物語全体を通してギャグ・コミカル担当であり、主人公の友情や各地のグルメリポートなど様々な活躍をしてきたので、思い入れがあるプレイヤーも多いのではないでしょうか。そんな人造神との別離が終局部で描かれていきます。人造神との別れを想い、神聖国王にとどめをさすことを躊躇してしまう主人公。そんな主人公に対し、いつもは親友であることを否定してきた人造神ミンジャラが、主人公の信念である友達ならお互いの意志を尊重すべきという内容を、最後に語るところがクライマックスです。もうミンジャラエンドともいうべき。こうして人造神の活躍で神聖国王を撃破し大陸が平和になりハッピーエンドとなります。

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  • ミンジャラ復活フラグ
    • 一応伏線としてミンジャラ復活ルートが匂わされています。ミンジャラはそのざっくばらんな性格により、ノアの妹で盲目の皇女マニエラとフラグを構築していました。エンディングでは神聖国王の呪いから解放され視力を取り戻したマニエラが、ミンジャラの姿を探すも、もう既に消滅した後であった……というビターな感じとなるのです。しかし、クリア後の用語集が更新されるとミンジャラの項目には「[……]彼が神ミンジャラとして長きに渡り人々から崇め続けられた場合、その信仰の力で個としての存在が確立されるかもしれない」と追加されます。そしてマニエラは神の巫女であり、これまで崇められていた神聖国王の代わりにミンジャラの信仰を普及させようとしています。さらにマニエラの異能は神降ろしで地上にいない神と交信できる能力なので、これはもうミンジャラ復活フラグ待った無しでしょう。ミンジャラとマニエラが結ばれると良いですね。

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