スーパーカブ 第11話「遠い春」の感想・レビュー

斜面から転落し渓流に倒れ伏す少女をスーパーカブで助ける話。
救急車と保護者に連絡せず自力で川から這い上がらせるというシナリオには唖然。
「礼子の夏」もそうでしたが、斜面から転落したのに椎ちゃんは無傷。
冷たい川に浸かっていたのに低体温症になるどころか風邪すらひかなかった模様。
日常系作品で現実を考慮せず特定の分野を優先するとこうなるという結果を示した。
(JKという舞台装置を活かせず自分の思想を前面に押し出した結果失敗するシリーズ)
椎ちゃんも椎ちゃんで喪失した悲しみを「ないない」の少女に求めてしまうのであった。

【前提】オッサンの趣味・嗜好・思想を(漫画上の)JKにやらせているだけ

キャラの精神性は湘南爆走族


「僕含め高校時代のバイク仲間の影響」←オッサンの懐古


現実に即した丁寧な描写(視聴者が求めていたもの)<<<如何にしてスーパーカブを活躍させるかというトンデモシナリオ

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  • カブを活躍させるためだけの番宣アニメだと思えばいいのでは?
    • スーパーカブありきのシナリオで視聴者たちを驚かせてきたこの作品。第11話もぶっ飛んでおり、事故にあった時の救急法とかは華麗にスルー。中学高校の保健の授業で救急法とか習うのだけど学校教育の敗北を痛感させたのでした。いや、本作に求める前提が違うのです。本作品は現実に即して日常の喜びを丁寧に描くことを主眼とした作品ではないのでしょう。スーパーカブを如何にカッコよく活躍させるか!?というテーゼ。その方向性があってるかどうかは定かではありませんが、椎ちゃんの転落事故で救急車や大人の人を呼んでしまったらカブが活躍できないじゃん。フィクションだから主人公活躍させとけばOK。そんなわけで主人公が連絡したのは礼子だけ。礼子も椎ちゃんの両親や救急には連絡しなかったみたい。ビンタで椎ちゃんに気付けをした主人公は自力で斜面を這い上がるよう指示。さらに椎ちゃんをカブのカゴの中にツッコミ自宅へ連れ去るとお風呂に入れてカレーうどんを振る舞うのでした。
    • 怪我とか風邪とかはとりあえず横に置いておきましょう。少女たちの関係性について。椎ちゃんはモルトンを壊してしまった悲しみを背負い喪失感に駆られます。そんな椎ちゃんは憧れの人である主人公を頼って涙を見せるという流れになっています。しかしながら、主人公こそが「ないないの」少女だったというところがミソ。富裕な実家、温かい両親、愛着を持つ自営業のカフェ、クッソ高いチャリンコ等々を持つ椎ちゃんがどんなに喪失感を抱いても、それは持てる者の喪失感。もとから何もない主人公ちゃんは共感できるはずもなく、カブにはそんなことできないとそっけなく返すのでした。またラストの場面では椎ちゃんが主人公たちを追いかけていたのは違くて、椎ちゃんの後ろを主人公が追いかけていたのだという感情を吐露することになります。椎ちゃんが主人公をしてカブに乗らしむきっかけとなったという良い話になってましたが、椎ちゃんの方が持てる側なんだよということがさり気なく見え隠れしています。

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感想まとめ