文明崩壊後の闘争を経て形成された社会で生き残り平和を勝ち得た新人類に希望と幸福を与える話。
主人公は失われた文明の知識を持つ機械人間でギアス的チート能力を持ちコールドスリープから目覚める。
目覚めた社会は金属が敵として人類を襲撃してくるセカイであり100日前に平和になったばかりだという。
戦争に慣れ切った共同体に希望を与えるべく主人公は内政に力を入れる(インフラ・教育・流通・経済等)。
体験版のハイライトは主人公もまた敵と同じく機械の身体であったと為政者に暴露されるところ。
しかしこれは仕組まれたイベントで主人公が民衆に受け入れられるための見世物だったのである。
金属の襲撃を所与のものとすれば単なるセカイ系だが本作はそのギミック解明がテーマの一つとなっている。
正直シナリオ冒頭の中二設定を延々と説明される箇所はしんどいがそれを耐えれば何とかなる。
ポストアポカリプス×異能バトル×内政チート×セカイの真実解明
- 【1】ポストアポカリプス
- 中二系作品では「作者の考えた壮大な世界観」を如何に自然と読者に伝えるかが肝要であり、下手をすると舞台装置の説明でついて行けなくなってしまいます。本作の場合も序盤は世界観の説明ラッシュが続き、荒唐無稽な設定にお付き合いするパートが長く続きます。ここを乗り越えられるか否かが読者に試されており、何とか読み進めると面白くなってきます。ちなみに本作の場合は所謂ポストアポカリプス的なモノ。突如金属が人類を襲うようになり現代文明は崩壊。生き残った人々は様々な異能に目覚めて敵に対抗できる術を獲得。人々は産業革命以前の文明水準で戦時統制社会を形成し金属と戦う闘争の日々を繰り返していました。しかしカントー地方では英雄が自らの命と引き換えについに地域ボスを打倒して平和が到来。ここでコールドスリープから目覚めたのが主人公であり、失われた高度文明の知識と与えられたギアス的能力(作中では言霊遣い)を活かして、人々に希望と幸福を与えるべく、領地経営を行うという展開です。
- 【2】現代の社会科学知識で内政チート!
- 体験版の中盤あたりは内政パート。戦時統制社会を変革するため問題点をブレーンストーミング。個人が認められず共同体に追従する旧ソ連的統制社会において自我の確立を図るためには何が必要か。学校を作り識字率を向上させ、商業・流通の発展により貨幣経済を浸透させる。似非社会科学的知識で内政チートする所はなろう系が好きな人にはウケそうです。内政だけでは飽きるいう人の為には異能バトルもあります。地域ボスを倒したとはいえ、雑魚討伐は残っており、これまたチート能力で戦います。主人公のギアス的能力は「言霊」であり、自ら信じて口に出した言葉は必ず強制実行されるというもの。これを用いて主人公は内政にバトルに大活躍していくワケです。
- 【3】ビックリギミック! ロボバレ
- と、まぁ、ここまでの流れだけだと、何だフツーのなろう系ラノベじゃん的なノリですが……体験版の終盤でようやくビックリギミックが発動して結構面白いかも!?となります。ここまで主人公は1000年前のコールドスリープから目覚めた旧人類とされてきたのですが、なんとビックリ、主人公は人造人間キカイダーであり、敵勢力の金属陣営と同じだったのです。これまで主人公に何かと良くしてくれていた為政者や国のエリートが、主人公を試すためにワザと街中に敵を仕向けて戦わせる所からオモシロみが増します。右腕を引き千切られてはじめて自分が機械の身体だと知る主人公の絶望とか騙された感とかが良く表現されています。最終的には覚醒した主人公が敵を倒してめでたしめでたし。
- 【4】世界の真実解明
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