タコピーの原罪 第11話「日本縦断しずかツアー」の感想・レビュー

東京の父親の所にいたのはチャッピーではなく再婚家庭の新しい家族だった話。
チャッピーがいなかったことで最後のラインが破られたしずかちゃんは暴走。
再婚家庭の子どもがチャッピーを食べたと言い出し胃の中を調べるとかのたまう。
タコピーはしずかちゃんの説得を試みるも失敗し、逆に襲撃を受ける。
意識を失ったタコピーは2022年の時間軸で高校生まりなちゃんと邂逅する。
まりなちゃん生存ということはしずかちゃん自殺ルートを辿った時間軸?
おそらくしずかちゃんを(間接的に)殺したことでまりなちゃんが孤独に陥った模様。
タコピーはそれを解決するために6年前の2016年に過去跳躍したっぽい伏線。

東京にいってもチャッピーがいなかった。しずかちゃんはバーサーカーとなる。

案の定チャッピーはおらず父親からも認知されず

通常の時間軸だとチャッピーがいなくなるとしずかちゃんは自殺してしまう。それを防ぐためにタイムリープを重ねたが、どんなに繰り返しても結末を変えることができない。そのため偶発的とはいえまりなちゃんを殺してしまった。そしてしずかちゃんの心の支えとするためチャッピーは生きており東京の父親の所にいるという方便を妄信させることとなる。そしてついに東京の父親の所に行ったのだが、案の定チャッピーはいなかった。いたのは父親の再婚先の家族であり、しずかちゃんはよくわからないなぁ認定をされてしまう。この時のイベントスチルが凄く秀逸で、家族に囲まれた父親のぶち抜き1枚絵の次のページをめくった先に孤独でみすぼらしいしずかちゃんが見下ろされるという構図になっている。これが心の拠り所を喪った少女を表象しており、全てを喪った様相が提示される。こうして最後の砦が破られたしずかちゃんはバーサーカーと化す。再婚先の子どもがチャッピーを食べちゃったとかい言い出し、人間を捕まえて胃の中を調べるという結論に至る。タコピーは最後の力を振り絞って説得を試みるも、しずかちゃんに人間の心など残っていなかった。タコピーも協力してくれないことを知ると、しずかちゃんはタコピーを襲撃。
 

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全てを殺し尽くそうとするしずかちゃん

しずかちゃんに殴られ、薄れゆく意識のなかでタコピーは記憶を取り戻す。タコピーは2022年に高校のまりなちゃんと邂逅していた模様。この時のまりなちゃんの顔の頬に注目で、何回も母親に殴られた跡が傷となって残っていることが分かる。まりなちゃんが生きているということはしずかちゃんは自殺した世界線であると思われる。自分が皆の前でイジメていた対象が自殺すれば、周囲からどのように扱われるかは一目瞭然であろう。まりなちゃんは「ずっと一人だった」ということが伏線として挿入される。ここから考え出されるのは、まりなちゃん問題を解決するために、タコピーが過去跳躍したのではないかということ。すなわちしずかちゃん自殺エンドを防ぐことでまりなちゃんを救済するという目論見があったのではないか。しかし逆にタコピーはまりなちゃんを殺害してしまったわけで……。タイムパラドクスの発生。物語は新展開となり高校生まりなちゃんの2022年編が始まった。

左の頬に虐待の痕跡
2022年高校生まりなちゃん

タコピー感想まとめ