スローループ 第8話「ここがいい」の感想・レビュー

夏休み回その2。釣りモノで度々主題となる釣った魚をリリースするか食べるか問題。
主人公はリリース派だが達観しており魚釣りそのものが完全に人間のエゴと見なしている。
一方で小春の釣ったら食べるべきという主張も否定せずに一人の個人の考えとして尊重する。
多分父親が死んだ際に身近なものの命に対して色々と考えて来たのあろうことが予想される。
そんなドライな考えをする主人公が小春を「おねえちゃん」呼びする場面が今回のハイライト。

魚が可哀想などとは言わず人間のエゴを貫く主人公がドライでクール

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魚釣りにおける人間のエゴ論争
  • 渓流釣りへGO!
    • 夏休みを利用して主人公の母の実家へと帰省。小春にとっては完全に他人ですが物おじせずに何のその。母の実家は子どもが女だけだったこともあり、主人公の亡き父をとても可愛がっていた模様。再婚した新しい旦那にとってはハードル高いよなぁ。それはそれとして主人公と小春は本来の目的であった渓流釣りへGO!イワナを釣るために奮闘します。ここでの見所は主人公の釣りに対する哲学。キャッチアンドリリースをする主人公を見て、イワナを食うために釣りに来た小春は疑問符を浮かべます。これまで釣った魚は料理して食べていたのにどうして……。なんとフライフィッシングは食べないことの方が多いことが判明。フライフィッシングは主に渓流で行われており、釣った魚を全て食べていると川から魚がいなくなってしまうのだとか。ここで小春が魚が可哀想だから?と無邪気に質問するのですが、主人公が完全に人間のエゴと答える所が最大の見せ場となっております。下手に動物愛護の精神を唱えるのではなく魚を成長させもっと大きくなってから釣りたいとドライに決めます。また小春が魚を釣ったら食べてあげた方が良いと唱えるのに対しても、それを否定することなく、個人の意見として尊重するのです。クール。こんなにも主人公が達観しているのはおそらく多感な時期に父親が死んでいるからであり、色々と生命に関する考えを深めていったからであろうことが窺われます。
    • さてそんなクールでドライな主人公ですが、年相応に情に溢れるところもあります。雨具を忘れた小春が風邪をひいてしまった時には、小春のためにイワナ汁を作りたいと願い、祖母に作り方を請うのでした。これまでほとんど料理をしなかった主人公が小春のために一生懸命料理を覚えようとする姿は尊いですね。体調を崩して淋しくなり亡母の思い出を想起してしまう小春にイワナ汁を振る舞うところはグッとくる展開になっています。小春の体調が回復し、縁側で花火大会の打ち上げ花火を鑑賞するシーンでは、家族としての親愛を深めた主人公がついに小春をお姉ちゃん呼びするのでした。それを指摘されて顔を赤らめる主人公が今回のハイライトとなっています。
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寝込んだ義姉のためにイワナ汁を作る主人公
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お姉ちゃん呼びが炸裂!

スローループ感想まとめ