虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期13話「響け!ときめき――。」の感想・レビュー

「あなた」の象徴であった「高咲侑」は夢を叶え、もう既に「あなた」の手の届かない所にいる。
「高咲侑」は「あなた」と乖離し、今度は「あなた」の番であると促す立場に変わるのだ。
アイドルの成長を描きながらも、その実質は「高咲侑」が成長する物語であったのだろう。
アイドルを支える立場であった「高咲侑」が最後にステージに迎え入れられたことがそれを示している。
アイドルアニメを消費するだけの萌え豚である「あなた」に行動する事を強いるのは酷かもしれない。
しかしテーマは「やりたいことをやれ」なのでアニメを消費することもまた許容されるのである。
それを象徴していたのが、最後のせつ菜とりなりーのやり取りであったと言える。

「あなた」の象徴であったはずの「高咲侑」を通して「あなた」に「やりたいことをやれ」と促してくるのだ

消費者→支援者→表現者への成長
  • アイドルたちの成長を描くのが主眼ではなくそれを消費する「あなた」に成長を求める
    • アニガサキはアイドルたちを支援したいという高咲侑が自分のやりたいこと(=作曲)を見つけ、それを成功させる話でした。そのために配置されたキャラがメンヘランジュちゃんであり、何も産み出さずにいる単なる消費者を断罪してくるのです。これに対して高咲侑は作曲者である自分がステージに立つことで自分なりのトキメキを示したのです。高咲侑が最早アイドルの支援者ではなく、生産者・表現者の立場に回ったその瞬間でした。そして高咲侑にもファンがつき、高咲侑の曲が好きなファンからメッセージを貰えるようにまでなります。そんな高咲侑が最終回でもアイドル達に迎え入れられてステージの上に立つことになります。単なる消費者、消費することからの支援者、支援者からの表現者へと成長していった高咲侑。そんな彼女の口からニッコリ笑顔で今度はあなたの番と言われると、アイドルアニメをただ消費している我々萌え豚はどうすればいいというのか?割と死にたくなります。だが、最後で副会長が凧揚げ同好会をも許容しやりたいことならなんでもやれと肯定した後、せつ菜とりなりーがアニメトークを炸裂することで救われることになります。我々のやりたいことが単なるアニメの消費で良いのだと。単なる消費者は肯定されて救われた。
「あなた」の象徴「高咲侑」が次は「あなた」と訴えて来る
やりたいことをやればいいので単なるアニメの消費でも良い