【感想】いだ天ふにすけ「不束ながら」を読んだ。

人生が上手くいかないネガティブ系男子の世話を焼き続ける後輩ドブ女との幼馴染の絆。
主人公は幼少期から人生が上手くいかず失敗ばかり。仕事でも失敗し取引先を出禁となる。
そんな主人公を慰めるためヒロインは飲み会を企画。友人ズに慰められる。
この後輩ヒロインは幼き頃から主人公を慕い進路を追い続けてきたのだ。
その過程で何度も主人公を支えて来ており、主人公にとってはまさに天使。
それが故に付き合いたいとか身体を重ねたいとかいう欲望は一切無かったのである。
後輩ドブ女ちゃんがそんな草食系主人公を食い散らかす覚悟を決める場面が本作のハイライト。
ハッピーエンド後に覚悟ガンギマリになるヒロインの心情描写が回収されるギミックが素晴らしい。

長年連れ添った熟年幼馴染。手を出してこない主人公を落とす覚悟を決めるヒロインの心情描写ギミックが見所

長年連れ添った後輩系幼馴染

主人公は人生が上手くいかず失敗してばかりの社会人男性。物語は彼が仕事に失敗して取引先を出禁となり、慰め会という名の飲み会が開催されるところから始まります。これを企画したのは主人公の後輩で自称ドブ女。幼馴染でもあり主人公の進路に執着し後を追い続けて就職先まで一緒にしたヒロインです。飲み会は盛り上がり主人公は仲間たちから激励されたり慰撫されたりでベロンベロン状態に。当然ヒロインが介抱するのですが、周囲からノスタル爺のように抱いてしまえと焚きつけられます。ヒロインは当初からその気で主人公とくっつきたいのですが、主人公は幼少期から自分を救済し続けてくれたヒロインを女神のように思っており、自己卑下して自分なんかよりもいい人とくっついて欲しいと思っているのです。そんなわけでヒロインが勇気を出してホテルに誘うもそれを拒絶。ヒロインは絶望するのですが、その理由を聞かされた途端覚悟ガンギマリとなりホテルへ連れ込む決意をするのです。「お前可愛いし良い奴なんだからさぁ」がトリガーとなり覚醒するヒロインをとくと見よ。本作はこのシーンが二重ギミックなっているのがウリで、行為後にこの場面の回想となりヒロイン視点での心情描写がなされるのです。ここのシーンでのヒロインの感情の起伏を描く巧みさはまさにワザマエと言えよう。一粒で二度おいしい。分かってる感があります。ホテルへ行った後もヒロインの攻めっぷりは止まらず、今まで我慢していた分、主人公を搾り取っていきます。ちょっとヤンデレっぽい雰囲気がヒロインの風情を増しています。
 

先輩の進路を追いかけ続ける後輩ヒロイン
世話を焼いて貰っていることを認め自己卑下する主人公
自称ドブ女
先輩をホテルへ連れ込めるのではないかと画策する後輩ヒロイン
本作のハイライトのコマ
勇気を振り絞った一世一代の誘いを拒絶される