ブルアカTVアニメ7話感想「先生が来たことで後輩たちの問題が改善されたことは、ホシノにとって喜びである一方で、自己の無力感を抱かせるものでもあった」

小鳥遊ホシノがゲマトリアの黒服に自らを身売りする決意を固める話。
アビドス高校は借金だけでなく土地・建物の所有権も喪失していたことが判明する。
ホシノはそれを隠していたということであり、追及されそうになると必死で話題をそらす。
また先生が来たことで後輩たちが改善されたいった様子を目の当たりにしてきた。
それはホシノが自分でしたかったのに、どうすることもできなかったことであった。
こうしてホシノはもはや自分は身売りすることぐらいでしか存在価値を示せないと結論付ける。
先生がいれば今後の後輩たちも安泰だしアビドスを現在の窮状に陥らせた責任を取ろうとする。

ホシノおじさん、自分ではできなかった後輩たちの問題改善を先生が成し遂げたのを見て、覚悟ガンギマリとなる

黒服に呼び出され暁のホルス全開となるホシノ

今回はホシノが自らを身売りする決意をするまでの心情描写がテーマであった。ホシノに覚悟を決めさせたのが、他ならぬ先生だったというのがポイント。ホシノにとってアビドス高校は死なせてしまったユメ先輩とのヨスガであると共に、現在の様な窮状に陥らせてしまった罪の証左でもあった。悪徳企業の狙いは砂漠に埋もれる遺物であり、さらにその背後にいるゲマトリアの狙いはホシノ自身であるので、彼女には何ら責任は無いのだが、ホシノは良心の呵責に耐えられなくなる。
 

ホシノのトラウマの象徴であるアビドス砂祭り~ユメ先輩の死~

ホシノを責め立てる理由の一つが自治区の土地・建物の所有権を手放していたことが後輩たちにバレたこと。問題が追及されそうになった時、何とか取り繕うかのように、雲のカタチの話にして話題を逸らそうとするホシノの痛々しさに悲壮感が漂う。だがこれは決定的な理由ではなく、ホシノをして覚悟ガンギマリにさせたのは、先生だったのである!ホシノは後輩たちが抱えている問題を何とか解決したかった。ツンデレセリカが抱え込みがちなこと、真面目過ぎるアヤネが悲観しがちなこと、実家の問題を打ち明けられないノノミが愛想笑いを浮かべていたこと等々。これらはホシノにとって重たい課題であり(自分が)何とかしたくても出来ないことであった。
 

先生とホシノの攻防戦

だがそれをポッと出の先生がサクっと解決してしまったのである。これはホシノにとってショックが大きかった。自分がいなくても先生がいるならば後輩たちの問題は解決される。ホシノの無力感は強まり、自己の存在意義が希薄化していく。自分などもういらないのであり、自らの身を捧げることで借金問題が解決するならば、身売りした方が良い。そう確信したホシノは、先生がいるからこそ覚悟ガンギマリになってしまうのであった。
 

覚悟ガンギマリになるホシノ

そんなホシノにアニメ先生はどう接したかと云うと……。何らホシノが抱える悩みを分かってなんかいなかった。寧ろ、傷口に塩を塗り込むような感じであった。ストーリーを進行させるためシナリオ的にはここで先生がホシノの悩みを解決しちゃったら話が進まないんだろうけどさ。ホシノがみんなで水族館に行こうとか言い出すのも、最後の思い出作りのため。今の所、ホシノの違和感に気付いているのはシロコだけ。このままでは好感度が足りずにバッドエンドになりそうなのだが、救いとなりそうなのが水族館イベントのフラグが立ったこと。絆ストーリーでは水族館のメモロビでホシノが先生に自己をさらけだすエピソードが語られる。アニメでの水族館イベントで先生とホシノの心の交流が描かれればバッドエンドの回避もまだありそう。