【感想】雲呑めお「火照り合い」を読んだ。

夏祭り浴衣デートからのお家から打ち上げ花火。夏だから掲載誌に1本はある季節モノ。
お祭りを楽しむデート描写に力が入っているとキャラに愛着湧いていいよね。
日常の所作の中に感じられる艶めかしさがとても良く表現されていてそこがウリ。
花火までの時間に家に誘うことになり結局家から花火を見ることになるのだが……
暗い部屋の中で身体を重ねながら窓からの花火に彩られるという情緒が醸し出されている。

日常の所作における艶めかしさと花火に彩られながらの夜伽がウリ

浴衣夏祭りデート描写

高校生の青春照れりこ夏祭りデート始まるよ!折角おめかししてきたヒロインに対し、恥ずかしさが先に立ち気の利いた言葉を言えない高校男児。不満に思いむくれ顔になるヒロインから話は始まります。かけてくれる言葉は少ないけれど、浴衣を着たカノジョとゆっくり歩きたいという彼氏の想いに気付いたヒロインがそれに応じるシーンはグッときますね。しかし散歩しながら見てしまったのは自分たちと同年代の青姦乱交。焦ってすぐに引き返すも、ソワソワ感は否めません。何とかして祭デートを楽しむ方向に舵を取りますが、昂奮からか日常の所作の中に艶めかしさを感じてしまうのです。お約束のチョコバナナとか金魚すくいで屈んだ時の胸元とか後ろを振り返る時の見返り美人図とかかき氷を食べさせてもらう所とか。割としっかりデート描写があるのもステキ。そして花火までは時間があると言って家に誘うのですが、これに応じるヒロインの横顔の画力とかすごく高いです。

夜伽のシーンでは花火が存分に活かされているのがすごく魅力的。やはり花火はいい。夏の夜伽と言えば花火の風情で行為を盛り上げることで情緒を味わうことができます。暗い部屋で夢中になって求めあっていた二人が打ち上げ花火に照らされてお互いの顔を改めて見つめ合うシーンは趣深くて味わいがあります。対面座位に移行し次々と打ち上げられる花火に彩られながら絶頂に至る流れはとてもエモい。さらに親もまた夏祭りに行っており花火が終わるまで帰ってこないことを確認することで、2回戦を求めるヒロインがカワイイ。最後のコマでは窓の外から二人が後背位をする姿が映し出されてオチとなります。個人的には夜伽を始める前に待ち合わせの時には出来なかった「浴衣を褒める」をやって、ヒロインが会った時言ってよ!と返すやり取りに和んだ。

誘われて返事をする際の表情
待ち合わせの時には褒めてもらえなかった浴衣を改めて褒めてもらう
花火の風情を活かした情緒深い夜伽
2回戦を求めるヒロイン
ラストの引きシーン