ヴァンパイア・獣人・人間の間の種族差別を題材とした国家を巻き込む中二系戦争異能バトル。
学園編はまだしも戦争編はクソ長い・同じような展開の繰り返し・ご都合主義の三拍子揃って苦行。
視点操作ギミック(吸血鬼を人間とミスリードさせる)の所はまんまと騙されたので結構面白かったかな。
基本的には強いチートキャラが次々と現れ挫折しながらも絆の力で乗り越えていく手法でゴリ押し。
最後はメインヒロインがメガンテを使いビターエンドとなりかけるが時間遡行でサクッと復活する。
メインヒロインが自らを犠牲にすることで地球や宇宙や神となり結局自らも救われるパターン。
ヒロインを犠牲にすることでカタルシスを生み出すのにそれをアッサリ掌返しするノリでござい。
近年、鬱ゲーや泣きゲーは流行らないからといって安易にヒロインを復活させすぎなような気がする。
主人公は絶滅危惧種「人間」。ヴァンパイア＆獣人の異能学園に潜入調査しにやってくるが、種族間闘争に身を委ねることになる！
- 視点操作ギミック～絶滅危惧種「人間」の復権運動～
- 本作の特徴は視点操作ギミックです。主人公の少年は異能保持者が集まる学園に賢者の石を求めて潜入調査しに来ます。当初はこの学園が人間と獣人の学校のように描かれているのですが、実はヴァンパイアと獣人の学校であり人間は絶滅危惧種であることが判明します。中盤で「実は主人公が属する種族"人間"は少数絶滅危惧種だったのだ！」と判明するところが本作で一番面白いところだったと言えます。シナリオはメデューサと称する異能保持者集団との戦争がメインとなるのですが、この集団が実は生き残った人間たちの集団であり、支配種族ヴァンパイアから世界を取り戻そうとしていたのでした。この作品における賢者の石とはヴァンパイアに日光耐性をもたらすものであり、それを破壊することで人間たちの復権を図ろうとし、レコンキスタを唱えていたのです。主人公はメデューサとは異なる組織のエージェントであり、目的は同じく賢者の石であるものの、復権へのアプローチが異なりました。主人公はヴァンパイアや獣人と交流する中で、種族間差別を無くして融和するセカイを目指していくことになります。この辺まではまだ何とか面白いところもあるのですが、これ以降が苦行となります。融和政策の破綻、強敵の出現と敗北、挫折からの復活というパターンを繰り返し読まされることになります。ほぼ全員闇落ちしてそこから復活して強くなるというスタンス。あとバトルは基本的に心を折る戦いなので、異能バトルしながら舌戦も繰り広げられるため、割と説教臭い。
- ハイパーアルティメッドまどかエンド
- ラスボスは石化おじさん、裏ボスは生物殲滅おばさん。まずは石化おじさんについて。このおじさんは過去に生物実験の対象としてヴァンパイアの少女と監禁させられたことがあります。この少女は幼少期おじさんの血液を食事としていたのですが次第に好意が芽生え苦悩するようになります。吸血すると愛する人が死んでしまうという矛盾に苦悩していた少女は自分のヴァンパイアという種族を忌避して死んでいきます。おじさんはヴァンパイアを愛したからこそ、彼女の望みを叶えるために、愛する種族ヴァンパイアを滅ぼすという十字架を背負ったのでした。このチート級のおじさんを倒すために必要なのは若者が新しい可能性を示すこと。学園で主人公の所属するクラスは人間・ヴァンパイア・獣人が絆の力で見事に融和した！世界でも種族間差別を無くしていけると唱えて大勝利！
- 長かった戦いもようやく終わった！と思ったらまだ裏ボスがいた！という展開。正直冗長でクソナガスクジラ。このおばさんは吸血鬼が日光耐性を得た時の始祖と戦った人物でした。自分が全生命の頂点と考えており、自分以外の生命は全て死ぬべきという危険な思想を抱いて、あらゆる生命を殲滅しようとします。この裏ボスとの戦いではメインヒロインのマリアンナが自らの命を犠牲にすることで倒すことに成功します。こうして世界には平和が訪れ、マリアンナが唱えた思想のもと、種族間差別を無くせるように生きて行く……とEDが流れてスタッフロールとなるのですが、途中でカットインが入ります。この手法も最近よく使われるよねービターエンド中断してループする展開。何でも、主要キャラが自分たちの人生を全うして死ぬことで、マリアンナと魂の邂逅を果たし、時間遡行が発動できたのだとか。マリアンナはセカイと同化して神となっており、まさにハイパーアルティメッドまどか！(別にフジリュー版封神演義の妲己とか穢翼ユースティアとかでも良い)。ご都合主義が発動し裏ボスおばさんをあっけなく撃破する。今度こそ本当に終幕。みんなで卒業式を迎えてハッピーエンドとなります。
体験版の感想はコチラ
