【感想】連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ 第10話「故郷の空」を見た。

エリジニ回。戦火に焼きだされ諸国を転々としていたエリーが故郷に戻る話。
ガリア解放により故郷に平和が訪れたエリーだが戦禍に晒された地元を想うと忍びなかった。
エリーはその複雑な感情を思わずジニーに吐露してしまうが肯定的な後押しを受ける。
メディア戦略に利用されることで傷心を抉られながらもエリーは故郷へ帰る決意をする。
戦争の傷跡が色濃く残るふるさとを訪れるエリーの心象風景はノスタルジック満載。
そして水辺でジニーの使い魔の仲間を見つけたことから話は転じてジニーのターンとなる。
ジニーは使い魔を解放し仲間の下に戻したがそれはウィッチで無くなることを意味していた。

様々な事情で故郷を追われた人々が、幼少期に育った場所に戻って感じるノスタルジー

ガリア解放の戦争プロパガンダに使われるエリー
  • ジニーとエリーに共通しているのは使い魔との出会いによる人生の変化
    • 今回のお話はエリーとジニーを中心に描かれる。二人の共通点とは使い魔による人生の変化。エリーは戦争により故郷を焼きだされて流浪の身となる。戦時下ということもあり糊口を凌ぐためには軍関係の仕事に就くしかなく看護婦として働くことに。そこで前線から病院送りにされたアイラと出会い交流が始まる。アイラは前線に戻るために勝手にリハビリを行いそれをエリーが手当するという関係が構築されるが、ある晩もまた同様のことが起こる。その時突如使い魔が見えるようになりウィッチとして覚醒した。だが戦闘訓練を受けていないエリーが選べる道は少なく、アイラと共に音楽隊の前身を形成することとなった。エリーがウィッチに覚醒した理由は故郷に置き去りにしてしまった猫への罪悪感。ガリア解放により故郷が平和になってもエリーが帰郷を躊躇する理由はまさにここにあったのである。エリーは故郷への複雑な想いをジニーに吐露してしまうのだが、これをジニーがケアして帰郷への後押しをしたのであった。戦火により壊滅状態に陥った地元に戻り郷愁を噛み締めるエリーは泣ける。
    • 一方でジニーサイド。自分の使い魔の仲間を探すのがジニーの目的だが音楽隊の世界ツアーを経ても仲間が見つからなかった。エリーはジニーのもとこそが居場所なのではないかと示唆するも、それは偶然の出会いであり使い魔自身の選択の結果ではないと返す。エリーは自分のふるさとの水辺で黒鳥を見つけるが、なんとそれがジニーの使い魔の仲間だったのである。こうしてついにジニーは目的を達成することが出来た。使い魔はジニーの下を離れ仲間たちと飛び去って行き、それがお別れとなるのであった。ジニーが目をまたたくとウィッチの力は喪失されており、単なる少女へと戻っていた。ジニーの奇跡のような音楽隊の日々が終わりとなることが示され10話は幕を閉じた。

戦火により飼い猫を置き去りにしてしまった罪悪感を婉曲的に吐露するエリー
看護婦になったエリーと前線から病院送りとなっていたアイラの出会い
郷愁
使い魔と別れウィッチで無くなったジニー
フミカネ絵