ゴールデンカムイ4期4話「半裸中年男性☆鯉登平二少将」の感想・レビュー

鶴見劇場~鶴見中尉が海軍力を手に入れる為に自作自演の鯉登音之進誘拐事件を引き起こす話~。
鶴見中尉はかつてスパイ工作中に愛する妻子を亡くしていた。
極東地域が日本領になれば愛する妻子は日本の土で眠ることになる。
それ故鶴見中尉は日本の北東アジアへの拡大を目論んでいたのである。
その手段として鶴見中尉が欲していたのは自分に対して心から尽くしてくれる人々。
今回は海軍力を手に入れるべく鶴見中尉は鯉登親子に対して工作活動を目論む。

鶴見劇場~鶴見中尉が欲するのは自分の為になら死すら厭わない人間関係~

海軍力を手に入れるため、まずは息子の鯉登音之進の心の闇をケアする
  • 死んだ妻子を日本の土で眠らせるため
    • かつて鶴見中尉は北東アジアでスパイ活動中、現地のロシア人を妻にし子どもを作っていた。この愛する妻子は鶴見中尉にとってかけがえのないものであったのだが……。ナロードニキ運動の失敗によりテロリズムに走り皇帝を暗殺したアシㇼパさんの父ウイルク達が偶然やってきたことから事態が一変する。お尋ね者となったウイルク達を捜索する追っ手達と銃撃戦になり、鶴見中尉の妻子は死んでしまうのである。鶴見中尉は度々満洲が日本領になれば日露戦争で死んだ同胞は日本の土で眠ることになると時、日本の拡大を正当化してきた。この趣旨は紛れもなく自分の妻子も日本領で眠っていて欲しいと願う想いから来たのであろう。
    • そんなわけで鶴見中尉は北東アジアにおける拡大政策を狙って活動しており、中央政府の路線からは外れていく。鶴見中尉が自分の目的を達成するために欲したのは、自分の為に人を殺し尚且つ死んでくれる特別な関係性を持つ友人・部下たち。今回は鯉登親子がそのターゲットになる。鯉登父は大湊の水雷戦隊という海軍力を保有しており、それを手に入れるべく鶴見中尉は誘拐事件を起こすのである。まずは親子関係が上手くいてっていない鯉登家の次男坊音之進に目を付ける。非行に走ることでしか周囲の関心を引くことが出来ない哀れな存在である音之進に対して示現流素手で止め平手打ちをかます。まずは暴力で圧倒した上で音之進の心の闇に寄り添い深い理解を示すのである。
    • さらにその上で鯉登音之進誘拐事件を引き起こし鯉登父の信頼を手に入れることに成功する。鯉登父は日清戦争で長男を亡くしており軍人としてはそれを許容していたが一人の父親としては耐えがたいものであった。今回音之進が誘拐された時も国の為に音之進を見殺しにしようとするのだが、電話口で音之進が父に対して死ぬ覚悟を示したことにより父性を抑えきれなくなる。この鯉登父の二律背反な気持ちを受け入れてあげればフラグは成立。誰にも頼めない誘拐事件を一緒に解決に導くことで信頼を勝ち取り海軍力を手に入れたのであった。
    • 勿論この鯉登音之進誘拐事件は自作自演のマッチポンプ。だがここでは鶴見中尉から寵愛を受けられずに不満に感じていた尾形百之助の一言から、後に音之進が誘拐事件の真相に気付く伏線となる。尾形百之助は両親の愛情を受けるボンボンである音之進の事が気に入らず、ボンボンがとロシア語で呟いてしまうのである。この一言が尾形と誘拐事件を結びつけることになり、音之進は鶴見中尉の自作自演に感づくことになる。
息子に国の為に死ねと言うつもりが、息子から国の為に死ぬと言われて父性を止められなくなる鯉登父
むくつけき体を晒す半裸中年男性
鯉登音之進誘拐事件は鶴見中尉の自作自演
父親に愛される音之進を許せない百之助によるボンボンがという言葉が伏線

ゴールデンカムイ感想まとめ

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樺太

4期