ゴールデンカムイ4期6話「鶴見中尉と土方歳三の知恵比べ/樺太における鯉登月島及び白石杉元の動向」の感想・レビュー

有古二重スパイ・チカパシとの別れ・鯉登月島・白石の説教と内容詰め込み過ぎ。
有古二重スパイ編では鶴見中尉と土方歳三の知恵比べとなり土方歳三が勝利する。
チカパシとの別れ編では樺太アイヌの村にチカパシと犬を託してパーティーから離脱。
鯉登月島編では鯉登が自分は利用されているに過ぎないことに気付き月島に問いただす。
白石説教編ではアシㇼパさんに自分の理想をおしつけていると杉元が説教される。
これら全てが1本20分くらいに押し込められているのだからとても慌ただしく感じる。

有古二重スパイ

有古を餌にした鶴見中尉と土方歳三の知恵比べ

都丹庵士の刺青人皮を手土産に戻った有古。だが有古は都丹庵士を生かしており、土方陣営に寝返っていた。有古は土方歳三の命により第七師団が所有する刺青人皮を盗もうとしたのだが、その思惑は見抜かれていた。ウィルクに殺されたアイヌの中に有古の父親がいた事や有古の一族のアイヌを皆殺しにすることなど容易い事が示唆され、有古は追い込まれていく。有古には鶴見中尉に従うしかなくなり、二重スパイに任じられ、偽物の刺青人皮を土方陣営に届ける役目を負わされる。こうして土方陣営に舞い戻った有古だが、二重スパイにされることは土方歳三の読み通りであった。鶴見中尉は攪乱のために土方にニセの刺青人皮を渡したが、逆に土方歳三は他にばら撒かれる前に手元に回収したかったのであり、この偽物の方を欲していたのだ。こうして土方歳三と鶴見中尉の知恵比べは土方歳三の勝利に終わった。
 

チカパシとの別れ

樺太アイヌとして生きて行くことを決めたチカパシ

アイヌのみなしごチカパシ。谷垣に同行し樺太までついてくる。杉元一行は樺太での移動を犬ぞりに頼ることになるが、その持ち主であったのがアイヌの少女エノノカとその祖父。チカパシは年代が近いこともありエノノカと仲良くなっていく。チカパシと共に樺太にやってきた犬のリュウはそのまま犬ぞりのリーダーとなり樺太アイヌの村に残ることになる。チカパシも北海道に帰る予定であったが、帰ったところで自分の居場所などない。そんなわけでエノノカたちと別れた後まもなく馬橇から転げ落ち、そのまま樺太アイヌの村へ残ることとなった。チカパシとの別れ際に、谷垣が男泣きするところが見どころである。この後樺太第二次世界大戦終了間際、ソ連の進行を受けてソ連領になることを思うと、チカパシの人生も壮絶な歴史の渦に巻き込まれるのであろう。
 

鯉登が自分は鶴見中尉に利用されているにしか過ぎないと気づく話

真相に気付いた鯉登少尉に月島軍曹は絶望を語る

尾形百之助が逃亡する際に鯉登に言ったのはボンボン、満鉄というキーワードであった。このことから鯉登は自分及び父親が鶴見中尉に利用されていることに感づく。鶴見中尉と鯉登親子は、音之進誘拐事件を契機に親密な仲になった。この鯉登音之進が誘拐されたのを鶴見中尉が救ったからね。だがこれは鶴見中尉が大湊の水雷団を自分の想いのままに操るために仕組んだ自作自演であったことが明らかになってしまう。また満鉄に関して鶴見中尉は満洲を日本領にしたいと思っていたが、花沢閣下が満鉄経営に反対していたので、その妾腹の子である尾形百之助を使って暗殺したのであった。鶴見中尉の本当の目的は殺された妻子が眠る北東アジアを日本領とすることで、彼女たちが異国の地ではなく日本に眠っているという事実を創り上げたいこと。鶴見中尉の私利私欲に対して月島はその目的の道中において救われたのならそれでいいではないかと怨念を吐く。全てを諦め、鶴見劇場をかぶりつきで見ることに余生を賭けるのである。だがこの後、月島は谷垣ベイビーの生誕に際して悟りを開いたり、鶴見中尉を信じる鯉登少尉を信じろをされたり、アルコールの匂いで気づかれているのにまたしても鶴見演説を聞かされて妄信したりと激しく変遷を遂げる。最終的に月島は鯉登に救われることになり、第七師団のトップに立った鯉登の右腕として彼を支える鯉登月島エンドを迎えることになる。
 

白石の説教

アシㇼパさんに自分の理想を押し付ける杉元に対し成長したアシㇼパさんを信じろと白石が説教する

自分が日露戦争に従軍しPTSDを患っているため戦争の恐ろしさを良く知る杉元。彼はアイヌ独立戦争の指導者にいたいけな少女であるアシㇼパさんが祀り上げられるのを良しとしなかった。彼女のイノセントさに自分の幼少期を重ねてアシㇼパさんを守ることで自分の救いにしたかったのである。だがそんなことは杉元のエゴであり、アシㇼパさんの気持ちを無視したものである。アシㇼパさんの本当の気持ちに関しては、樺太でアシㇼパさんと共に旅をした白石の方がよく分かっていたのである。そして杉元がキロランケを一方的に憎むのに対して、彼がアシㇼパさんに見せようとしたものは嘘ではないと擁護するのである。アシㇼパさんは樺太での旅を通して、少数民族の文化が近代化の波に磨り潰されていく様子をまじかに見た。これによりもう少女のままではいられなくなり、アイヌ民族としての自覚、ナショナリズムに目覚めたのであった。アシㇼパさんの純粋さを守りたい杉元と民族の為に修羅の道に堕ちる決意をしたアシㇼパさんの溝は深い。そんな二人の溝を埋めるのが白石の役目であり、アシㇼパさんの覚悟を認めろと杉元に迫るのである。白石の説教が杉元がアシㇼパさんの覚悟を受け入れる契機となる。これによりアシリパフラグは完全に成立。今度はアシㇼパさんが杉元に惚れていくことになり、その好意は度々海賊房太郎に弄られることとなる。