無事に連載終了を迎えたゴールデンカムイ。ここでは五稜郭の戦い・暴走列車編で死亡したキャラの死に際と、生き残ったキャラが最後どうなったかの後日談をまとめておく。
鯉登平二(音之進のパパ)
鶴見中尉の策謀にはまり海軍を率いて五稜郭にまで参戦。艦砲射撃により攻城戦を支援するもマンスール・キラウㇱ・門倉の砲撃により艦隊を全滅させられる。避難せず艦とともに水没して死亡する。最後まで音之進のことを想っていた。
都丹庵士
五稜郭の戦いで土方さんを庇って死亡。死ぬ間際での土方さんとのやり取りがグッとくる。土方さんは都丹の行動に驚いたが、都丹自身はこれまで土方さんがいなければ何度も死んでいたので少しでも土方さんの寿命が延びれば本望だと述べる。このコマでの「どうせオマケの人生だ」は名言。
二階堂浩平
最後まで杉元に執着して五稜郭でも襲い掛かってくる。義足の散弾銃や義手のお箸入れで杉元を苦しめ、股間に挟んだ手榴弾で杉元もろとも自殺しようとするが、穴に投げこまれて爆死。自分の顔が縦半分に真っ二つとなり、死んだ双子の片割れと再会するという演出にした描写は奇才。
ソフィア
鶴見中尉の妻子を間接的にとはいえ殺してしまったことを最後まで後悔しており、鶴見中尉を前に戦意が鈍る。死に際に鶴見中尉に謝罪をして許されるが、鶴見中尉自身に射殺された。この時のキミのことは許そうの台詞は様々な推測を生み、じゃあ鶴見中尉が許していないのは誰なんだとの議論が湧いた。鶴見中尉が満洲に拘ったことから自分をスパイに仕立てた中央政府を赦さなかったのかもしれない。
牛山辰馬
通称チンポ先生。五稜郭の戦い後、第七師団満載の暴走列車で雑魚兵士を蹴散らす。月島軍曹すら牛山には歯が立たず、決死の攻撃も跳ね返される。月島軍曹を救ったのは鯉登少尉。偶然放り投げられた手榴弾がアシㇼパさんに当りそうになったため、牛山は身を挺してアシㇼパを爆発から庇って死亡した。その死はアシㇼパさんを覚醒させ、白石の涙を誘った。
土方歳三
暴走列車で鯉登少尉と一騎打ちとなり、覚醒した鯉登少尉に顔面を割られる。それでもなお生きており、死の間際に新撰組時代をトレースして最後の輝きを見せる。自分の為ならとっくに諦めていたと他人のためにお節介をする杉元の中に武士道を見出し、愛刀を譲渡して死亡する。この愛刀が後に榎本武揚を動かし、北海道の自然とアイヌ文化を保護する伏線となった。
尾形百之助
暴走列車でアシㇼパさんの放った毒矢で錯乱状態になる。毒矢を抉り出すも、勇作を殺した罪悪感が襲い掛かってきて自問自答を繰り返すシーンは作中でも屈指の名場面。最後は自分が勇作にだけは愛されていたことを確信しハラキリを模した銃による自殺をはかる。ラストはまさかのだいしゅきホールド。勇作にカニ挟みされつつ列車から堕ちていく演出は話題を呼んだ。
鶴見篤四郎
日本陸軍のスパイ時代に妻フィーナと娘オリガを間接的にとはいえウイルク、キロランケ、ソフィアに殺された。鶴見中尉のその後の人生は妻子の復讐に染められており(日本の大義を唱えて個人的復讐に囚われることはないと述べてはいたが)、結局は妻子が死亡する原因を作った日本の中央政府とあくまでも対立していた。杉元との最終バトルで大切にしていた指の骨が落ちていく演出は一見の価値アリ。函館駅クラッシュの際に杉元に銃殺され死亡。
夏太郎
多分作中で最も出世したキャラなのでは?五稜郭の戦いでは鶴見中尉の狂気に駆られてビビるも奮戦して仲間の危機を救い、暴走列車では永倉新八と共に土方歳三の遺体を回収して権利書争奪戦を降りる。最後は「羊の小さな牧場をはじめ後に大牧場主」となったとある。最後まで土方歳三に認められた自分を誇りにして生きていた。
永倉新八
幕末において土方歳三に最後まで着いて行かなかったことを悔やんでおり、金塊争奪戦は最後まで行動を共にする。行動原理の全てが土方さんであったため暴走列車で土方さんは死ぬとアッサリと権利書を放棄し遺体を回収する。最後はほぼ史実エンドであり「永倉新八は小樽で大学生相手に剣道を教えたり新撰組の手記を残して余生を過ごした。土方歳三の遺体は歴史通りいまだ見つかっていない」とある。
谷垣 源次郎
戦線を離脱していたが五稜郭の戦いの終盤から参戦。だが戦闘はなく五稜郭から逃げるアシㇼパさんを回収した後、暴走列車の入口で鶴見中尉に列車から落とされてしまう。その後は馬で列車を追いかけており列車から降りた白石と合流、ラストでは暴走列車から投げられたアシㇼパさんを受けとめる役割を果たした。エピローグでは子だくさんエンド。「谷垣は阿仁へ戻ってインカラマッと15人の子供を作った。長女以外は全員男児だった」とある。
門倉・キラウㇱ・マンスール
実写映画伏線エンド。実写版ゴールデンカムイは門倉たちが撮影した映画だったんだよ!というオチになりそう。「門倉とキラウㇱとマンスールはなぜかアメリカへ行き騎兵隊やお尋ね者や日本から来た侍とアイヌがアメリカ先住民の隠した金塊を奪い合うサイレント西部劇を自ら主演で撮影したが大コケした。しかし現在カルト映画として再評価されている」とある。キラウㇱはアシㇼパさんのコスをしており、門倉は土方さんを模している。
ヴァシリ・パヴリチェンコ(頭巾ちゃん)
尾形を倒すため樺太から日本へ着いて来たヴァシリこと頭巾ちゃん。五稜郭の戦いで尾形に銃殺されたと思われていたが、無事に生存。尾形はヴァシリを殺せなかったことになる。「山猫の死」というタイトルで遺体の絵画を描いたことから尾形の死を看取ったのはヴァシリと考えられる。「ロシアの著名な画家が亡くなるまで手放さなかった絵画がオークションにかけられ日本のIT企業によって三億円で落札された」とある。
鯉登音之進・月島基
死亡フラグ立ちまくっていた月島軍曹だがことある毎に鯉登少尉に救われる。牛山との戦いにおける月島の捨て身の特攻は鯉登少尉の呼びかけでキャンセルされるし、暴走列車の屋根から鶴見中尉が月島に伸ばした魔の手は鯉登少尉の嘆願で解除される。鶴見中尉死亡後、その遺品を探す月島を解放するのも鯉登少尉である。なんとも月島が大好きな鯉登少尉。C100で鯉登×月島の薄い本がいっぱい出たのも頷ける。鯉登少尉は生き残った第七師団の部下を中央政府から守るために月島を右腕に奮闘した。「鯉登少尉はのちに「最後の第七師団長」となる。月島基は鯉登音之進中将の右腕を全うした」エンド。