【感想】花兄けい「推し事営み中!」1~2を読んだ。

最近はやりの「ヲタクに優しいギャル」の亜種。ヲタ友を欲するコス好き白ギャルに漫研陰キャ男子が食われる話。
主人公くんは漫研の部員募集の為に男性アイドル育成ゲーのキャラに扮して勧誘活動を行っていた。
それに目を付けたのが同じクラスで隣の座席のハイカースト白ギャルで彼女は実はヲタクだったのだ。
主人公くんにコスを頼みひとしきり愛でると発情し、その初めてを奪ってしまうのであった。
イイ感じに主人公くんが拗らせており自分では無くコスキャラが消費されているだけと卑屈になるところが良い。
続編の2ではギャルがメイドコスをして逆襲し、コスキャラではなく主人公くんこそが好きだと奉仕する。

【目次】

第1話「主人公くん、漫研部員の募集のために男性アイドル育成ゲーのコスをしたら白ギャルに食われた」

コスした主人公くんを愛でるコス好き白ギャルの図
  • 椅子に座った構図がとても上手でコダワリが感じられてグッとくる
    • 「ギャルが実はヲタクでコスプレが好き」というパターンが腐る程生み出されて久しいが本作もその一種。だが数多の粗製乱造品と本作が異なる所以は、主人公や白ギャルの心情描写を丁寧に描いている所。まず初めに白ギャルがヲタクだとカミングアウトし、自分の推しであるアイドル育成ゲーのキャラのコスプレを見せて欲しいと頼んで来るところがグッとくる。意を決して恥じらいを持っているのがいいよね。さらに前半は椅子に座って会話が進んで行くのだが、この椅子に座っているだけの白ギャルをあらゆる角度からかわいく描いており、作者のコダワリがとても感じられる。男性アイドルにコスプレした主人公を膝の上に乗って告白し愛で回す作画がグッとくる。

  • 白ギャルの襲撃からの形勢逆転
    • 白ギャルは主人公くんを膝に乗せて推しのコスを堪能するうちに発情してしまい、襲い掛かってくる。白ギャルが椅子に座ったまま主人公くんを立たせて紅葉合わせでご奉仕。さらに白ギャルは開脚してその秘部を見せつけると押し倒して跨り騎乗位で攻め立てるのであった。こうして白ギャルの成すがままにされ純潔を奪われてしまった主人公くん。だがあくまでも白ギャルが求めているのは自分ではなくゲームのキャラだということにモヤモヤし、反旗を翻すことになる。今まで攻められる一方だったのだが、コスのウィッグを取り、白ギャルに自分だと認識させると、形勢逆転して攻め立てるのである。翌日、何事も無かったかのような日常が始まるも、白ギャルからメッセージアプリが届き、主人公くんはトモダチになったかなと認識してオチとなる。白ギャルはもうそれ以上の気持ちなのに……という続編を匂わせるかのようなエンド。

第2話「白ギャル、コスキャラではなく主人公くん自身に好意を抱いている事を示すためメイドコスでご奉仕する」

メイドコスをして主人公くんの気を引こうとする白ギャル
  • 主人公くんを堕とそうとする白ギャルのメイドコスが可愛い
    • 前回は主人公くんがコスプレをしましたが、今回はヒロインがメイドコスプレをしますよ。白ギャルは主人公くんに好意を持ってるものの、そのきっかけが主人公くんがしていたコスプレによるものであったので、主人公くんは白ギャルが好きなのはゲームのキャラであって自分ではないと思い込んでいる。そんな主人公くんの鉄壁ガードを崩すために、白ギャルはメイド服コスプレで主人公くんを堕とそうとするのである。何といっても白ギャルメイドの恥じらい姿が良い。ベッドに腰掛ける主人公くんに寄り添うように座り、その感想を聞きに来るコマが個人的おススメポイントである。その後も白ギャルの攻勢が続き、自分の好意を主人公に分かってもらうために奮闘する姿が大変いじらしい。その感情を持て余し肉体で迫ることしかできない白ギャルがビッチだと勘違いされるのを怖れている描写や、誰にでも股を開くのではなく主人公くんにだからこそと告げるシーンがグッとくる。それでもなお主人公くんが気持ちに答えてくれず、自己卑下ムーブをかますと、ゲームキャラのコスではなく主人公くんとだからしたいのだと攻めて来る。そして自分がメイド服のコスプレをした理由を説明し、これ以上言わせないでよと述べる展開はよくプロットが練られていると思われる。

  • 主人公くん、白ギャルの気持ちと向き合い自己卑下と戦い、形勢逆転する
    • 白ギャルが自分の思いの丈を行動で示すのに対し、主人公くんはいつまでもウジウジしているのだが、ヒロインの熱量を受けて自分が求められていることを知り、立ち上がる。第1話では負の感情の暴走によるものであったのだが、第2話では主体的意志により白ギャルを求められるようになったというのがいいよね。主人公くんにしてみれば低カーストであり陰キャ漫研の自分が何故ハイカーストの白ギャルに好意を持たれるのかよく分からない事でしょう。だからこそ、白ギャルが好きな男性アイドル育成ゲームのコスプレをしていたということがだけが白ギャルと主人公くんを結ぶ接点。そのため白ギャルがメイドコスをして主人公くんに奉仕しようというのに、主人公くんはコスえっちを求めているのだと思い込み自分もコスしようとする所作がいかにも女性経験が少ないこと表していて情緒深い。そんな主人公くんが自分から白ギャルを求められるようになったところは必見であり、騎乗位から正常位に体位を変え改めて白ギャルを眺めるとこのコマは是非見てほしい描写になっています。最終的に主人公くんは白ギャルの好意を受け入れることができ、仲良くコス衣装ショッピングデートをして幕を閉じる。
力ずくで主人公くんを自分に向かせる白ギャル
誰にでも股を開くのではないことを告げる
好きなゲームキャラのコスプレだから好きなのではなく主人公くん自身の事を好きだと強調する白ギャル

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