ウマ娘「Happy new future 朝焼けの絆」の感想・レビュー

思春期になったキタサンブラックピーターパンシンドロームを発症しそれを克服する話。
(キタサンはウマ「娘」だが女体化されているだけで実際の馬は「牡」馬であることが上手く活かされている)
小学生の頃仲良しだったキタサトコンビだが、進学後はサトノダイヤモンドが常に一歩先を行ってしまう。
いつまでも一緒にいられない事を悟ったキタサンは大人になることに不安になってしまう。
「人は変わらずにはいられないです」。CLANNADで扱われた変化による寂寥をウマ娘でも描き出す。
黄金世代のグラスが自分たちを例に変化を肯定、嫁のスイープトウショウはキタサンの背中を押す。
最近の二次創作もキタサトよりキタスイの方が流行ってるしスイープの内助の功が光った。
こうして第二次性徴による大人になる事への不安を払拭したキタサンは見事神社イベントを成功させる。
アニメ2期で登場したみんな大好き「どうした急に」の男性コンビも出て来るよ!

幼年期の終わりと成長による変化に対する漠然とした不安

サトイモと比較し自分の幼さを自覚せずにはいられないキタサン
  • 思春期を迎えたキタサンブラックの揺れる心情描写が見どころ
    • お人好しでお節介のキタサンブラックは、手助け大好きお祭り女。だがそれは表面上の性格であり、キタサンの本質はナイーブで繊細かつ傷つきやすい側面を持っていた。そんなキタサンは年末に寂れた神社の神主と知己を得て、神社復興の手助けとして廃れた神事を復活させようと試みる。この計画にサトイモ、スイープ、グラス、スぺが乗っかり皆で神社を盛り立てていく。
    • だがここでまたもやキタサンのナイーブな側面が表れてしまう。幼馴染で仲良しだったサトイモがフランス遠征を視野に入れていることを知るのだ。いつまでもいっしょにはいられないことを実感しセンチメンタルになってしまう。ヒトは変わらずにはいられないです。キタサンは頭では分かっているものの、成長と共に幼年期の自分とは別離を告げ、変化を受け入れて前に進むことは難しいことであった。キタサンは次第に情緒不安定になり夜も眠れず、一人グランドに出ては寂しさを噛みしめる。
    • そんなキタサンの不安定さは周囲に気付かれており、さり気無くフォローが入れられる。黄金世代のグラスワンダーは自分たちの世代を例に取り、それぞれが自分の道を歩んだけれども繋がっていることを教え諭す。またキタサンブラックのお嫁さんであるスイープトウショウはその正妻力を発揮し、キタサンがサトイモと向き合えるように背中を押してあげるのであった。最近の二次創作ではキタサトよりもキタスイの方が勢力強いし、時代はキタスイである。
    • こうして皆の支援によりキタサンとサトイモは腹を割って語り合い、その幼馴染の絆を回復する。キタサンが変化を受け入れた象徴となるのが、アニメ2期でキタサトコンビと仲良しだった「どうした急に」のモブの男性二人組。彼らはキタサトコンビが執り行う神事にも参加するのだが、幼少期とは異なりきちっと線引きをし、ファンとして二人に接するのである。キタサンはその距離感に一抹の寂しさを感じながらも、ウマ娘としての自覚を持つことになるのだ。神事の最中にはアクシデントに見舞われるものの、それを乗り越えることで二人の絆はより強固になる。こうしてキタサンブラックはまた一歩大人への階段を登ったのであった。
成長に伴う変化に怖れや不安を抱えるキタサン
キタサンの不安をケアするグラスとスイープ
変ってしまうものの中の変わらないもの(「不易と流行」)
みんな大好き「どうした急に」のモブ男性2人組が登場!
お約束の「どうした急に」が発動!

今回のイベストで活躍したウマ娘の個別シナリオはコチラ