自己の価値観が世間から排斥されるモノであった主人公がノベルゲーに表現手段を見出す話。
SPLIT1が独特な収容所を丁寧に描いたのに何故かいきなりゲーム制作モノになったので吃驚。
ノベルゲー制作モノは掃いて捨てるほどあるため「見せ方」が問われるのは理解できる。
しかし収容所を設定してまでノベルゲー制作をやる必要はあったのだろうかと疑問は尽きない。
共通√後半は作成途中のゲームを噛ませ犬が簒奪してそれを懲らしめるとかいう陳腐的な展開。
ようやく噛ませ犬を倒したと思いきや収容所内で作っていいわけないだろと強制終了となる。
果たしてノベルゲーは完成できるのか!?ということを個別√でやるとしたら微妙になりそう。
同工異曲の粗製乱造品が蔓延る「ノベルゲー制作」モノを選んだワケとは!?
- SPILIT2の後半は噛ませ犬を倒すという陳腐的展開。ライター自身が同じ目にあったのだろうか。
- SPILIT1は文句なく面白かったのですが、何故かSPILIT2はノベルゲー制作モノになります。わけがわからないよ。主人公の価値観は世間一般では受け入れられないものであり、それ故「自己の存在証明」が違法とされ収容所送りとされます。その収容所は矯正し難い人間が行き着く末路であり、そこでの労働と囚人たちの生き様を通して、様々な人間模様が描かれて行くのです。ここまでは本当に面白いのですが、途中からグループで創作活動を行うことになり、ノベルゲー制作を選ぶのです。ここら辺からキナ臭くなっていくのですが、ノベルゲー制作を違った視点から描くという点では成功していると言えるでしょう。イラスト作成、スクリプト技術、シナリオ執筆、声優演技などが斜め45度からスポットライトが当てられます。
- しかし後半から本当に茶番。名プロデューサーを名乗る男が途中から介入し、主人公たちが作っていたノベルゲーを簒奪してしまうのです。しかもシナリオに深みは無く、ただただムカつくプロデューサーを勧善懲悪的に懲らしめるだけ。主人公が自分たちのノベルゲーを取り戻してヨカッタネというオチになります。これ邪推すると、この文章を書いているライターさんが過去にプロデューサーに利権を奪われた私怨をネタにしているのでは?と思ってしまうほど。他にも既存の泣きゲー(特に麻枝作品)を揶揄する表現やノベルゲーを総合芸術とか言って賛美する場面も出て来るので、ちょっと辟易しがち。
- 共通ルート終局部では、またもやゲーム制作が中断。収容所でノベルゲー作るとかフツーにダメだろと職員から真っ当な駄目出しが入り、そりゃそうだと頷くプレイヤーたち。これで制作は一時的にストップし、個別√に突入。果たしてゲーム制作はできるのか!?という流れになります。公式webサイトやSPILIT1の雰囲気から、まさかノベルゲー制作がテーマになるとは誰が想像し得たでしょうか。このままノベルゲー作って終わりとかにならないことを祈っています。とりあえず個別√の体験版がまだ残っているので、それを読んできますね。