【感想】老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 第1話「ミツハ、異世界に行く」を見た。

天涯孤独で大学にも落ちた少女が転落死を契機にセカイ間移動の能力を得て金儲けを目論む話。
家族は自分以外事故死した!大学にも落ち無職ニート!チャラ男に絡まれ金的したら崖から落ちた。
開幕からぶっ飛んだ設定テンコ盛り少女ミツハは死にたくないという思いから神から力をもぎ取る。
当初はその力が発現しておらず異世界で浮浪者のような生活をするが狼に襲われた際に覚醒する。
地球に戻ったミツハはヲタクの兄の遺産や包丁や調味料で武装すると異世界に舞い戻り狼を殺害する。
神からセカイ間移動の説明を受け翻訳コンニャクの力も手にしたミツハはこの利点を生かそうと考える。
彼女が出した結論とは文明格差を利用して金貨を獲得、日本円にして20億円分稼ぐというものであった。
アニメの出来は良いとは言えず動きはカクカク放浪描写はギャグでしかなく狼とのバトルも緊迫感が無い。

本作の見所は異世界における金儲けなので、設定紹介したら具体的にどうやって儲けるのかを1話で見せるべきだったな。

異世界に来た。チート能力を得た。少女を狼から救った。金貨と銀貨を得た。
  • 現代日本異世界を行き来できるという設定の下でどうやってカネを稼ぐのか。(商人資本は地域間の価格体系の差を利潤の根拠にしているからいずれ消滅するって世界史でやってるはず)
    • 狼と香辛料』が経済を扱うラノベだとして評価を受けてから十数年。経済モノのラノベやノベルゲーは散発的に出ていたが、なろう系でもやってるのね。どれどれどんな感じなのかしらん?と思って視聴。テンプレ展開や茶番劇は置いておくとして、その趣旨をまとめると次の通り。①少女は地球と異世界を行き来する異能を得た。②その異世界は文明度が地球よりも劣っているが金銀を通貨として流通させている。③現代日本の便利グッズを利用して異世界で金銀を獲得する。④目標金額は日本円にして20億円という設定。まだ1話なので真面目に経済をやるかどうか分からないが、ちゃんと流通や商業、資本主義システムを物語の中に組み込むことができれば面白くはなりそう。異世界モノはあくまでも作者の頭の中のセカイであり現実味が乏しく如何様にもご都合主義展開できるので、真剣に経済に取り組んでほしいものだ。異世界で放浪する描写は引き延ばしのようなギャグでしかなく、狼とのバトルも茶番のように感じられたので、ここら辺スッキリまとめてしまって、異世界でどうやって金銀を獲得するのかについての話にサクッと移って欲しかったものよ。
    • 一応、本作が他の作品と差別化できている点といえば、ミツハちゃん(無職ニート)が死んだ兄の幻影を呼び出し思考をトレースすること。ミツハちゃんはお兄ちゃん大好きっ子であり、パワーエリート系ヲタクであった兄は様々なヲタク知識や生き様をミツハに授けていた。ミツハは危機に陥るとこのキモヲタお兄ちゃんの幻影を呼び出し、お兄ちゃんだったらどうするかを考えるのである。このキモヲタお兄ちゃんが本作にスパイスを与えるものとなっており、今の所これだけはまだ見られる部分になっているかな。
ブラコン拗らせたヒロインが死んだ兄の幻影を呼び出して思考をトレース
現代日本異世界を自由に行き来して20億円稼ぐ
ちゃんと経済を扱えれば面白くはなりそう。

参照