こづかい万歳 第38話「ジェネリック赤羽のステーション焼き鳥屋でせんべろ」の感想・レビュー

令和衰退期日本の底辺階層のディストピアを描くことで有名な『こづかい万歳』。
かつて駅の脇で酒を飲みながら人間模様を楽しむステーションバーが登場して話題を呼んだ。
なんと今回はステーションバーならぬステーション焼き鳥屋が登場する。
駅の近くの大衆酒場の二階からは駅のホームを見ることができ、そこで人間模様を楽しむのだ。
ジェネリック赤羽とは南浦和のことであり千円で居酒屋を楽しむ「せんべろ」が紹介される。
今回も衰退期の日本、ここに極まれり感がスゴイ。

新造語大賞受賞「ジェネリック赤羽」「ステーション焼き鳥屋」「せんべろ」

ジェネリック赤羽」こと「南浦和
  • 安酒と廉価なツマミで幸せを得る
    • 令和衰退期の底辺階層の暮らしをまざまざと描き出すことで有名なこづかい万歳。これは他人ごとではなく市井を生きる人々の小さな喜び。今回はジェネリック赤羽・ステーション居酒屋・せんべろという超強力タームが3つも登場する。ジェネリック赤羽とは南浦和の事であり、そこにはクソ安い居酒屋群が登場する。これらの店は値段がリーズナブルであり1000円前後で楽しめるようになっている。千円前後で安酒と廉価なツマミを楽しむことを「せんべろ」と言うようだ。
    • 作者先生は妻の両親に子どもを預け、妻の友人の案内でこの南浦和の居酒屋群を梯子していく。そしてステーションバーの存在を前提として何の注釈も無く、ステーション焼き鳥屋が登場する。この大衆酒場は二階建てになっており、丁度窓から高架駅が見えるのである。安酒と廉価なツマミを楽しみながら居酒屋の窓から駅の人間模様を楽しむというオツな味わい。ステーションバーは「生の映画」と称されている程であり、他人の人生を見て想像して楽しむのである。更に妻の友人は飲みに行かない日でも常に南浦和のドヤ街をパトロールと称して徘徊しており、店のチェックを欠かさないという。見よ!これが令和衰退期日本のディストピアだ!!(※一応、この妻の友人は投資家でもあり、株主優待券で豪遊することもあるとのオチも挿入される)。
「せんべろ」
ステーション焼き鳥屋
生の映画を見ているみたいだよ!