【感想】「地元に帰ってきたら幼馴染が壊れてた」を読んだ。

素晴らしい幼馴染モノ。冴えないけれどフランクに接してくれる青年が地元へ帰り壊れた幼馴染を癒していく話。
主人公の青年は幼少期から高校卒業まで絆を育んだ幼馴染がいたが、大学進学を機に別々の道を歩むことになった。
就職後主人公は配属先の都合で実家に帰ることになるが、仲が良かった幼馴染は髪がどピンクで歪な風貌になっていた。
何が起きたか気になる主人公であったが、何かがあったのだから壊れたのだと察し、パフェ食って帰ることとする。
無職の汚女と化した幼馴染であっても主人公は気にせず度々遊びに誘い旧交を温め、絆を深めていく。
だがしかし幼馴染の家の隣の老夫婦から、幼馴染が輪姦され警察沙汰になっていたことを聞かされる。
それを見ていた幼馴染は精神崩壊しかけるがそれでも主人公は気にせず幼少期にバカやってた時のように明るく接する。
成長した後も幼少期に長い時間を共にしたからこそ分かり合える距離感やノスタルジーが大変素晴らしく描かれている。

主人公の青年が適度な距離感で壊れた幼馴染に接し、共有した時間の積み重ねで癒していくのがグッとくる

幼馴染が壊れていても詮索せずパフェを食う

冴えない風貌の青年主人公がカッコイイ。主人公は大学進学時に実家を離れたが、就職を機に仕事の都合で戻ってきた青年。だがそこで目にしたのはすっかり変わり果てた幼馴染の姿であった。青年と幼馴染は幼少期から長い時間を共にし、ボーイッシュで外遊びが好きだった幼馴染とは良く連れ立って遊びに出かけたものであった。主人公は思わずどうしてそうなった?と訊こうとしてしまうが、事情があったからこそ変わってしまったのであり、敢えてそのことに触れず、昔食ったパフェを注文して食し、何も聞かずに去ることになる。この適度な距離感が傷ついた幼馴染にとっては楽なものであり、その後もしばしば遊びに繰り出すことになる。そのうち、無職だとカネが無くて遊べないのでコンビニの深夜バイトをすることになり社会復帰の一歩となる。

所々で挿入される幼馴染エピソードがノスタルジックさを醸し出しておりステキな演出。ボーイッシュだった幼馴染が中学進学を機にスカートになるのってテンプレ展開だけど素晴らしいよね。スカートの下に体操服のズボンを穿くってのもあるあるだ。高校まで一緒だったものの、主人公は冴えない男で、幼馴染はスポーツ万能でスポ推で大学に行けてしまう程。主人公は冴えない自分などとではなく、幼馴染が他の良い男とくっ付いて幸せになるのが一番だと思っていたのだ。自分が幸せになりたいのではなく、推しが幸せならそれでいいというのもグッとくる。だが主人公は自分で幼馴染を幸せにするべきたっだのかもしれない。

幼馴染が過去に何があったのかについては、第三者から偶然聞かされることになる。それは幼馴染の家の隣に住んでいる老夫婦からの談であった。幼馴染は進学先の大学でアルハラにあった結果、輪姦されて警察沙汰にまでなってしまっていたのだ。主人公が老夫婦と話している所を幼馴染は二階から見ており精神崩壊寸前!それでも主人公は幼少期と同じように、外から幼馴染に声をかけ、遊びに誘っていく。男に汚されたとしても変わらずに接してくれる主人公の優しさに幼馴染はより一層情を深くする。

またデート描写が幼馴染ならではのものであり、読んでいてホッコリする。ノープランでドライブに繰り出し、何も無い田舎道で雨に降られるも、コンビニ飯を楽しみ、道の駅で漬物を食うのも郷愁を感じさせる。道の駅に併設されている旅館に泊まることになり浴衣に着替えてまったりするのも二人の信頼感とかが醸し出されており趣深い。

幼馴染としての時間の共有
男勝りだった幼馴染が中学入ってスカートになるのって良いよね
推しが幸せなら自分も幸せ理論
朝焼けを語る
朝焼けを語るⅡ
輪姦されたことを第三者から聞かされたとしても