【感想】葬送のフリーレン10話「魔族を殺す為だけに魔力制限の修練に千年かけたフリーレンの巻き」

断頭台のアウラは自分と相手の魂を天秤にかけ魔力量の過多で支配服従を決める魔法を使う。
アウラは500年の生涯を魔力錬成に捧げていたしフリーレンの放出魔力量を見て舐めてかかっていた。
それ故アウラは絶対の自信を持って天秤魔法を行使するがフリーレンは魔力抑制していたというワケ。
魔族社会は強さによる支配秩序であり、魔力量を誇示することがステイタスシンボルであった。
それ故、魔力抑制による隠蔽など魔族にとって思考の範囲外であり、その意識差でフリーレンは魔族を屠ってきた。
フリーレンちゃんは千年に渡る時を魔力錬成と魔力抑制の修行に使い、その量は絶大なものであった。
哀れにも断頭台のアウラはフリーレンに服従することとなり自害を命じられて、その命を絶った。

フリーレンの師匠フランメが教えたのは魔力抑制と花畑の魔法

フェルンが勝った要因は速射だけでなくフリーレンから教わった魔力抑制もあった!という伏線

今回は断頭台のアウラVSフリーレン。隠していた魔力量の差異と変えてしまえばそれまでなのだが、フランメとフリーレンの過去に加えて魔族社会の構造にまで言及するというギミック。社会集団が形成される際、秩序をもたらすためには地位や権力の源泉が必要となる。魔族の場合はそれが強さ、すなわち魔力量の過多であった。そのため魔力社会では魔力量を誇示することがステイタスシンボルであったのだ。それを魔族の弱点として捉えたのがフリーレンの師匠であるフランメ。彼女は魔族が言葉で人を欺くのと同様に、魔力抑制で魔族を欺こうとしたのである。魔力量を抑制し相手が油断したところを一気に殺るのがフランメの常套手段であった。
 

魔力抑制こそが魔族を殺す有益な手段

だがそれは魔法に対する冒涜でもあり忌避すべきものであった。幼女時代のフリーレンは魔法に対するコダワリを持っていたので、フランメの教えを受けいれるのに抵抗があった。フランメもまたそれを心から良しとしているのではなかった。ではなぜ彼女らは魔法に対する冒涜を選んだのか。それは全て魔族を殺すため。その一点により魔法に対する冒涜をも辞さなかったのである。フランメの過去そのものが描写されたわけではないが、彼女もまたフリーレンと同じく魔族に故郷の村を滅ぼされたことが匂わされている。フリーレンは村で自分が一番強かったのに皆を守れず村が灰燼に帰した事を深く後悔していた。それ故、フランメの教え通り魔力抑制と魔力錬成に長い時間をかけることになり、抑制をしても魔力に揺らぎが生じない程の域にまで達し、魔王をも殺せるほどの力を身につけたのである。
 

自分が使った天秤魔法に敗れ自害を命じられる断頭台のアウラ

そんなわけで断頭台のアウラがフリーレンに勝てるわけが無かった。今回のお話は過去回想が大半であり、アウラとの戦いはほんの一瞬で片が付くことになる。アウラが使うのは天秤魔法であり、魂を秤にかけて魔力量を比べ、相手を服従させるというモノであった。アウラは500年の歳月を錬成に注いだことを誇りにしており、自信満々に天秤魔法を使用する。だがフリーレンはその倍、千年以上かけて修行に励んできたのであった。アウラはアッサリ敗北してフリーレンに従属することになり、フリーレンは死を命じる。こうしてフランメの教えは千年後も有益であることを実証したのであった。

葬送のフリーレン感想まとめ