フリーレン28話(最終回)感想「人生を無意味に感じることも多いけど様々な形で継承されているんだよという話」

人生に意味など無く時間を過ごす中でただ緩慢に死んでいくだけ。
人間ですらそうなのだから長命種であるエルフにとってはなおさらだ。
だからこそ感情が希薄化していき、心の機微に疎くなっていくのであろう。
そんなフリーレン様に対し皆がそんなことないよというのが最終話の今回。
勇者ヒンメルとの旅がフリーレンを現在も生かし続けていることが描かれた。
現パーティーの旅もシュタフェルが死んだ後フリーレンを生かし続けるのだろう。

フリーレンやヒンメルによって人生を変えられた人たち

デンケン&ヴィアベルはヒンフリに影響されてここまで来た

感情が希薄で心の機微に疎いフリーレン。だが勇者ヒンメルは自分の老衰死によりフリーレンに感情を与えた。ヒトとの関りを軽視してきたことを後悔したフリーレンは人間のことを知るために旅に出る。そんな彼女に人間性を与えることになるのが、かつて勇者ヒンメルと旅した軌跡。最終回はそのことが改めて言葉に出された。宮廷魔法使いデンケンは病気の妻を治すために富と権力を求めて魔法を栄達の手段と見なしたが、元々は魔法が楽しいものであったと思い出したという。デンケンが魔法使いを目指したのは、フリーレンに影響されたからであった。続いて北部魔法隊長のヴィアベルが登場。魔法を殺しの道具と見なす彼だがそれは故郷の寒村を守る手段だから。魔族殺しを生業とする彼だが、困っている人にはなるべく手を差し伸べるのだという。そしてそれは勇者ヒンメルが些細な人助けをしてきたことに影響されたものであり、一見無駄なようなことでも救われる命があるからだと痛感したからという。このようにして今までの旅路で積み重ねてきたものが一気にフリーレンに返されたのであった。またヒンメルたちとの旅だけでなく、今回の旅も未来でフリーレンを生かすであろうことが語られる。その手段として用いられるのがゼーリエ様とラヴィカン。ゼーリエ様は憎まれ口を叩きながらも極度のツンデレであり死んでいった弟子たちの趣味嗜好を思い出すことができ彼らが血肉となって彼女を生かしていることが描かれる。ラヴィカンについてはフリーレンの出立を出待ちしておりこれまでの感謝を述べるのだ。こうしてヒンメルとの旅だけでなくシュタフェルとの旅も軌跡となり、今回の旅で出会った人々が将来死んだ後も、フリーレンを生かす糧になるということが示唆されていた。

ツンデレゼーリエ様は過去の弟子たちとの想い出により生きている
フリーレン様も過去の思い出が現在を生かし、現在の積み重ねが未来を生かしている

フリーレン感想まとめ