【感想】葬送のフリーレン14話「シュタフェルの久遠の愛イベントを通してフリーレンの炉利BBAとしての魅力を描く」

今回はフェルンの誕プレ問題を通して思春期の少年少女がお互いの接し方を学ぶというお話であった。
だがシュタフェルの魅力以上に丁寧に描かれたのが、フリーレンの炉利ババアとしての魅力である。
大人は大人になるのではなく子どもの為に大人のフリをするのだというのがハイターや新キャラ破戒僧の弁。
じゃあ大人のフリをしている大人を誰が褒めてやるのかという問題に対しロリBBAであるフリーレンが担うのだ。
またフリーレンが青春時代に気付かなかった人の愛情を自分の子ども(シュタフェル)を通して理解するのも良い。
フラグすら立たなかった恋人を亡くしてしまってから思慕していたことに気付くという切なさが素晴らしいよね。

フリーレンのロリババアとしての女神的な魅力が大いに引き出された回

同年代の異性に対する接し方が分からなかったシュタフェルがお互いに男女関係を学んでいくのが良いよね!

今回のメインは一見するとシュタフェルだ。フェルンの誕生日に際し、シュタルクは一緒にプレゼントを選びに行きたかったのに、フェルンは話も聞かずにシュタルクが誕プレを用意していなかったという事実だけを見てブチギレてしまうというお話である。この二人の和解に一役買うのが新キャラの破戒僧であり、思春期の少年の心理状況を説明し、フェルンに理解を促すのである。破戒僧に促されたフェルンは謝罪しに行くも言い出すことが出来なかったが、シュタルクが先に詫びを入れたことで事態は改善。シュタルクが買い物デートにフェルンを誘ったことで無事に関係性が修復される。このようにシュタフェルはこれまで同年代の異性と関係を構築してこなかった二人がおずおずと人間との距離感を学びながら一歩ずつ丁寧に間柄を築き上げていくことにその魅力があるのだ!!!シュタフェルはイイものだなぁ・・・尊い。と、まぁ思うことができれば脚本的には大成功なのだろう。
 

女神的存在としてのロリババア・フリーレンの魅力

だがそれ以上に今回はフリーレンのロリババアとしての魅力が光った。思春期の少年少女としてシュタフェルが描かれる一方で、大人サイドの在り方がテーマとなる。破戒僧がフェルンに助言をしている姿を見て、フリーレンは老年期のハイターを思い出す。ハイターは年齢を積み重ねた後、落ち着いた理想的な大人になるのだが、それは大人になったのではなく大人になったフリをしていたのだという。じゃあ大人のフリをしている大人を誰が褒めてくれるのかというフリーレンの素朴な疑問に対し、ハイターは信仰を答えに出す。そんなハイターに対してじゃあ現世では私が褒めてあげるとナデナデをかますのが我らがフリーレンなのだ。長命種としての魅力が最大限に詰まっている一コマだと言えよう。これを想起したフリーレンは、大人としての役割を演じた破戒僧に対してもナデナデをしてあげ、彼の苦労に報いることになる。ヒンメルたちとの青春時代には長命種であるが故に人の感情を理解できなかったフリーレンが、今や人々を救う女神的存在となっていることに感動を覚える。
 

ヒンメルが死んだことにより人間の感情を学び、後から彼の思慕に気付くというヒンフリの切なさ

このフリーレンの青春時代にヒトの感情を理解できなかった問題は、「死後に強まる念」として描かれる。ヒンメルの想いに後からフリーレンが気付いていくパターンを構築しており、それが本作にどこか切ない甘酸っぱさヒンフリを与えている。シュタルクがフェルンに買ってあげたブレスレットの意匠は鏡蓮華であり、それは久遠の愛を意味しており、恋人にプレゼントするものであった。フェルンは(シュタルクが気づかなかったとはいえ)自分がシュタルクから恋人扱いされていることに満足感を覚えていたのである。その一方でフリーレンはヒンメルから同じ意匠の指輪を贈られていたことが明らかになる。この指輪を無くしてしまうことがB-partでのメインイベントになるのだが、フリーレンは口では些細な出来事であるフリをしながら、心ではそう思ってはおらず、夜な夜な抜け出して探しに行くほど想い入れが強い物であった。それを自分の子供的存在であるシュタフェルによって逆に気づかされるのである。青春時代にはどうでもいいと思っていたヒンメルからフリーレンへの思慕の感情を、彼を亡くしてから噛み締めるという展開がここでも引き出されている。久遠の愛を意味する指輪をヒンメルは跪いてフリーレンの指に直々に嵌めていたのである。死んでしまった後に彼への想いを深めていくという形式が本作の魅力なのである。ロリババアっていいよね!

フリーレン感想まとめ