ブルーアーカイブ「秋泉モミジ」絆ストーリーの感想・レビュー

社会主義国における公務員の腐敗をモチーフとし、ちゃっかり図書館を私的に利用する少女の話。
秋泉モミジが所属する学校は旧ソ連をイメージしており思想統制や質の悪いサービス産業を体現していた。
そんな中、モミジは知識解放戦線として多様な種類の蔵書を揃えることで思想統制に対抗しようとする。
と、いうのは建前の話であり、モミジはちゃっかりと腐敗公務員として公権力を私的に利用していた。
具体的には新刊購入において自分の好きな本ばかり申請していたり、恣意的に図書館を休館したりする。
現代日本においてもやたらとラノベやなろう系が置かれている図書館や学校図書室が多いのも事実ではある。
思想統制により精神的娯楽の少ない共産圏において私的な書籍を収集しようとするのも知識解放なのかもしれない。

秋泉モミジのキャラクター表現とフラグ生成過程

図書館の本を私的に申請し、先生と共犯関係になるモミジ
  • 先生とモミジの共犯関係
    • 秋泉モミジは書籍収集家なコレクター系腐女子で、シナリオのイベントも書籍収集に関わるものが多い。先輩方が残した幻の同人誌を探索したり、ルリエル様絶版本を求めてブラックマーケットへ潜り込んだりと本のためなら労苦も厭わない。モミジが知識解放戦線として司書になったのも、自分のコレクションを増やしたいがためであった。途中で先生にそのことがバレてしまい、モミジは自分の行動を後ろ暗く感じていたため、精神崩壊しそうになる。しかし、思想統制のある共産圏において好きな書物を誰でも読めるということは自由主義としての抵抗の一種であり、先生とモミジの二人だけの秘密となる。モミジはとても嬉しそうに共犯関係になってことにきゅんきゅんしていく。

 

先生とブックバザーデートを堪能するモミジ
  • ブックバザーで掘り出し物探しデート
    • メモロビはモミジは先生をブックバザーに誘い、掘り出し物を探すデートを楽しむ。そこではバザーだからこそ価値の分からない者が貴重な本を低下で放出するため、掘り出し物が多いのだとレクチャーしてくれる。モミジは全ブースを周ろうという意気込みで次々と楽しそうに本を物色していく。バザーだからこそ全巻セットで1冊だけ抜けていたり、サインが残されていたであろうページが切り取られていたりして上手く行かないところもある部分のオモシロさを描き出している。イベントスチルにおいては、モミジは先生と一緒にいると良い事が起こるので、忙しい中でも会いに来て欲しいと謙虚なおねだりを見せ、先生の心を擽ってくる。(だがその後のモモトークでは明日のイベントもよろしく!と2日続けてのバザーをおねだりするちゃっかりさを持つ)。

 

図書館を私的に休館して先生をお昼寝に誘うモミジ
  • 私的に図書館を休館にして先生と一緒にお昼寝
    • 終局部においてもモミジのちゃっかりした部分が発動する。新刊申請を私的に利用するところまではまだ許容できる。購入理由をいかに正当化したものにでっちあげるかが問われるので可愛げがあるし、審査を通すための作文の技量が必要となるからね。私的な本を申請したとしても却下される可能性があるため、グレーゾーンと言えよう。だが、なんとこの秋泉モミジという女、先生とお昼寝がしたいがために、図書館を休館にしてしまうのである。これまでモミジは図書館で昼寝をしていた生徒達を追い出す立場にあった。だがそんなに図書館での昼寝は気持ちいいのかと思って試してみたら、効果はバツグンだったのである。そのためモミジは徹夜で疲れているという先生を誘い出し一緒にお昼寝をしようとするのだが、そこで図書館を休館にしてしまうのだ。後ろめたさは蜜の味。悪い事だからこそ仄暗い感情が刺激され、先生とモミジは堕ちていく……。同衾したモミジが眠りに落ちる先生に「いつも、私に寄り添ってくださって……ありがとうございます。」とおやすみを言うシーンは破壊力バツグンである。

 

同衾しながら眠りに落ちる先生に感謝のおやすみを言うモミジは必見
メモロビ表情変化差分可愛い