ブルーアーカイブ「各務チヒロ」絆ストーリーの感想・レビュー

自販機系彼女。人生における自分の役割を明確に見極め淡々とこなすことに誇りを持つ少女の話。
各務チヒロはミレニアムサイエンススクールにおいてハッカー集団を率いる電脳戦に秀でた副部長。
だがその能力をクリーンに使うことを心掛けており私利私欲のために使うことを忌避している。
そんなチヒロが顧客の違法行為に関し、告発するか顧客情報を守るかで葛藤するシーンが見所か。
チヒロは悩んだ末に匿名で通報するという宙ぶらりんな方法を取り自分でも中途半端さに呆れてしまう。
だが先生にはチヒロの悩みは理解されており、将来的にチヒロが信条を貫けることを肯定して貰える。
メモロビは徹夜明けの自販機コーヒーでありチヒロは人知れず役割を全うしている自販機に自らを重ねる。

各務チヒロのキャラクター表現とフラグ生成過程

ハッカーとして電子だけでなくセキュリティ全般に長けるチヒロ

各務チヒロはミレニアムサイエンススクールが誇るハッカー集団をまとめあげている副部長。電脳戦に長けているが、情報倫理にも厳しく徒に電子の力を利用することを否定する。先生との関係については、セキュリティがガバガバな先生に対して呆れながらも面倒を見てくれるぞ!先生はパスワードをメッセージアプリで送るどころか、PCにそのまま紙で張り付けているレベル。リアルでの鍵の管理も郵便受けに入れているくらい脇が甘かった。そんな先生を見たチヒロはこのままではほっとけない感から先生と関係を深めていくこととなる。

チヒロはその有能さから、先生を連れて行くことで契約をスムーズに進めたり、顧客にパワハラまがいのことを受けても受け流したりと私情を捨てビジネス的対応ができる人物でもあった。だがJKとしての幼さも残っており、仕事上で知り得た顧客の違法行為に関し葛藤することになる。違法行為は告発せねばならぬことだが、さすれば顧客情報を暴露せねばならないため、他の契約者から顧客情報を漏洩する集団と認識され倦厭されてしまう。こうして煩悶に苛まれたチヒロは、妥協案として匿名のリークを行うことに留めたのであった。チヒロは自分の中途半端さを自嘲するが、彼女の悩みは先生に理解されることになる。

メモロビは徹夜明けに自販機コーヒーを先生と飲むイベントスチルなのだが、自販機に共感するチヒロの心情を語られる。自販機は24時間人知れず己の役割を全うしていると解釈し、それを自分に重ねるのである。そして淡々と自分の役割をこなすことに誇りを感じているという所感を伝えられるのだ。地味で目立たないけれども、自己の役割を明確に把握し、それを地道にこなすことができる陰の女チヒロを理解してあげればフラグは成立となる。

自らを自販機に投影し目立たず地味だが役目を淡々とこなすことに誇りを抱く少女
徹夜明けの作業後、オフィスの仮眠室で同衾するチヒ先
情報倫理に関する葛藤~仕事で知り得た顧客の違法行為をどう処理するか~