【感想】またのんき▼先生のブルアカ浅黄ムツキ本「夢中姫」を読んだ。

過労でボロボロな先生のためにムツキが「どーぞ」して先生を煽り、疲れ果てさせて休ませる話。
麻雀ゲームとのコラボ衣装(チャイナドレス)を身に纏うムツキの先生への偏愛が本作のコンセプト。
ムツキはイタズラを仕掛けては先生を煽り散らかすメスガキムーブをしがちだが、それは歪んだ愛情。
本作ではメスガキながらも先生のことを深く想うムツキの心情描写が大変素晴らしく表現されている。
全てを吐き出した先生が眠った後、その寝顔を慈母のように見つめるムツキの表情がハイライト。

「はい、どーぞ」~先生を煽り散らかすムツキの中にある慈母のような感情~

先生の机の上を流し見して溜息をつく一連の流れがグッとくる

先生を責任ある大人から一介の人間へと戻すことができるのが浅黄ムツキ。ブルアカの先生は一部キャラに対しては異常な行動を取るが、基本的には温厚で優しく生徒に寄り添い悩みをケアし責任を全うする理性ある大人として描かれている。だが時には責任に圧し潰され、無理をしがちで大量の仕事を抱え込むことになる。そんな先生を責任から解放し一人の人間に戻すことができるのが浅黄ムツキなのである。ムツキが取る手法は所謂メスガキムーブであり、先生を煽ることで理性を破壊し、先生が作り上げた大人像を削ぎ落して秘めたる獣をむき出しにさせるのである!本作においてもそんなムツキの愛らしさが炸裂する。ムツキはブルアカが麻雀ゲームでコラボした時の衣装を身に纏い先生に見せびらかしに来る。だが先生は仕事でボロボロになっており、過激な衣装を前に目が泳いでしまい、ムツキの姿から目をそらしがちであった。ムツキは先生の股下に入り込むとその屹立をからかい必死に言い訳をする先生を楽しむ。だがムツキは先生の机の上を横目で捉え、コーヒーや栄養ドリンク漬けになっていることを流し見し、先生を癒すことに決める。この時のムツキの一連の所作がとてもグッとくる演出になっているので是非見て欲しい流れになっている。
 

本編最大の見せ場「はい、どーぞ」

そして今回最大の見せ場である「はい、どーぞ」の場面がやってくる。先生の理性を破壊することに決めたムツキは、仰向けになると両手を指し伸ばし、先生を誘うのである。これを見た先生はムツキのねらい通りにブチギレ。先生という立場を捨て去り、獣になった。ムツキは濃密なベロチューで先生を止まらなくさせると、正常位で貫かれる。さらに寝バックで先生を誘惑すると、動作がヘロヘロであると小馬鹿にし自ら腰を振ることで先生を煽り散らかしていく。ムキになった先生はガン突きし、最後にはムツキを押さえつけて一滴残らず吐き出していく。
 

慈母の様な表情を浮かべるムツキ

個人的なハイライトは行為後、慈母のように先生を見守るムツキの表情。気絶するかのように眠ってしまった先生に対し「こーでもしないと休まないんだから。セキニンカンっていうのも考えものだよねー」と独り言を述べるムツキの表現がとてもいとおしいものになっている。ムツキはイタズラ好きで先生をオモチャのようにして煽ってくるメスガキムーブをすることも多いが、その背景には先生を責任ある大人という立場から解放するためという意図がある。それが単なるメスガキとは異なるムツキの愛情表現であり、本作のラストでは先生の顔に落書きをして接吻の跡を残していくというコマで表現されている。以上のようにムツキに内包されるメスガキと慈母という二つの局面を趣深く描いているのが本作であり、充実した内容となっている。