【感想】公式ブルアカ便利屋漫画を手掛ける野際かえで先生による非公式アリリオ漫画を読んだ。

天真爛漫なAI少女アリスと彼女に対し自罰意識を持つミレニアム生徒会長リオとの凸凹関係漫画。
ブルアカ本編で一人で突っ走った結果、公金を横領した挙句アリスに酷いことをしてしまったリオ。
その後、彼女は生徒会長として溜まった仕事の消化や背負った借金の返済に勤しんでいた。
だがそんなリオの下へ天真爛漫なアリスは構って構ってとやってくるのである。
有能であるが故に友達がおらず孤独であったリオにとってアリスの存在は大きかった。
基本的な流れはアリスがその無垢さにより罪の意識を抱えるリオを攻略していくという流れ。
ゲーム開発部やセミナー、特異現象捜査部も巻き込んだギャグイベントはホッコリすること限りなし。
またそれだけでなく最後はリオの自罰意識をアリスが解放するホロリと泣けるエンドになっている。

天真爛漫な無垢さで人たらしなアリスが、有能で裕福だがお堅くて孤独なリオのトラウマを救済する所がおススメ!

アリスに押されるリオというアリリオ漫画!

本作のコンセプトは野際先生によれば「アリスに強く出られなくなっているリオという強めの虚妄」とのこと。内容はオムニバス形式のギャグマンガ集で成り立っているが、押しの強いアリスとそれを受け容れざるを得ないリオという凸凹関係で一貫している。AI少女アリスは天真爛漫な無垢さがウリであり、その性格によって難攻不落の強キャラ達を次々と攻略してきた。C&Cの武闘派ヤンキー少女ネルがその際たる例だが、本作ではミレニアムサイエンススクールの最高権力者リオがその対象となる。
 

アリスに服を買ってあげ、自室をアリスのクローゼットとするリオ

見所は、頭が回り合理的な思考をするリオがその予想を悉く覆されていくというパターン。アリスのお誘いを相談・嘆願のたぐいと勘違いして事前に準備していたものの、実は単にゲームしたかっただけというオチから物語は始まっていく。リオのお下がりが欲しいとねだるアリスに対しては必要最低限の服しか持っていないので一緒にお揃いの服を買いに行き、二人でファッションショーを展開する。また服を買い過ぎてしまいゲーム開発部の部室に置けなくなった際には、リオの私室を置き場にして、お着換えを楽しむまでになる。また小遣いが足りずケーキを1種類しか買えないアリスが無理やりリオに別の種類のケーキを買わせ、半分こにしようとする。だが二つに等分できなかったのだが、アリスはリオにあーんしてとねだるのであった。
 

ゲーム開発部やヒマリとの関係性も描かれる!

またアリスとリオの二人だけのセカイで関係性が閉じてしまうのではなく、ゲーム開発部やセミナー、特異現象捜査部の皆さんとリオの関係性も紡がれる。アリスを守ろうとするゲーム開発部に完璧な報連相をしたり、部費が出なかったことをリオのせいにして憤慨するモモイに対してあり得ない額の私費を払ったりとよりどりみどり。そんなリオに対していつもの如くユウカがオカンのように口うるさく説教する。なんか野際先生の漫画のユウカってホントオカンだよなぁとしみじみ。個人的に好きなのはリオとヒマリの関係性であり、ミレニアムの双璧とも言えるが犬猿の仲の二人がアリスを介して何だかんだでイイ感じの仲?になってるのがグッとくる。
 

泣きゲーエンド!

最後はお涙頂戴の泣きゲーとなっており、アリスと過ごす時間が楽しくて贖罪しなければならないことが薄れて行ってしまうとリオが曇る場面がおススメ。リオが「許されていると勘違いする時すらあるのよ」と告げるコマは最大のクライマックスとなっている。そんなリオに対してアリスが救いを与え、「それはリオ先輩が本当の仲間になってくれたということです!」と応じる流れは涙無しには見られない。号泣!こうして「生まれた絆が希望を紡ぐ友情のRPG」というタイトルが回収されてエンドとなる。

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